物議の「酔えるグミ」、結局何が問題だったのか 専門家と弁護士に聞く、炎上の「根本原因」:アルコール分2.0%入りでも「年確不要」(2/3 ページ)
「酔えるグミ」として話題を呼んだUHA味覚糖の「パリピ気分」。アルコール入りでありながら、20歳未満でも購入できることが問題視された。なぜ、アルコール入りなのに年齢確認が不要だったのか。弁護士と専門家に聞いた。
高橋氏によると、20歳未満の飲酒は、「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」により禁止されている。その上で、酒類を扱う業者は、満20歳未満の者に対する酒類の販売や供与が禁止されており(同法1条3項)、また満20歳未満の者が飲酒することを防止するため、年齢確認を中心とした必要な措置を講じることも義務付けられている(同法1条4項)。
加えて、20歳未満の者が自用に供する(自分で飲むなど)ことなどを知った上で、業者が酒類を販売・供与した場合は50万円以下の罰金に処せられる(同法3条1項)。ちなみに、年齢確認などの「義務」こそあるものの、義務に違反したことに対する直接の罰則はなく、あくまで「20歳未満の者が自用に供すること」を知った上で酒類を販売・供与した際に罰則が適用されるという。
年齢確認は「酒類」で必要
高橋氏によると、法律で規制されているのはあくまで「酒類」に限られる。
国税庁の公式Webサイトによると、「酒税法において酒類とは、アルコール分1度以上の飲料(飲用に供し得る程度まで水等を混和してそのアルコール分を薄めて1度以上の飲料とすることができるものや水等で溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます)」とされる。その他、明らかに飲用以外の用途に供されると認められるものや、医薬品医療機器等法の規定により製造許可を受けたアルコール含有医薬品・医薬部外品も酒類から除かれる。
つまり、今回のパリピ気分は飲料ではないことから、上述の「酒類」の定義から外れるため、業者に年齢確認の義務はなく、販売・供与も禁止されていない。業者が20歳未満に販売した際、罰則が適用されることもないのだ。
「法令でアルコールを含有した菓子類を一概に規制対象とするのは、事業者側のハードルという面でも、現実問題として難しいのではないかと考えられます」と高橋氏は見解を示す。現実的には、関係団体が自主規制ガイドラインを整備するなど、20歳未満が購入できないよう一定の線引きをすることが求められるとした。
ASKの風間氏も、「ソフトキャンディーやグミは子どもが好みやすい菓子。自身も子育てする立場として、こうした菓子でアルコール入りのものを販売するのはやめてほしいです。とはいえ商売ではあるので、完全に禁止するのは難しく、自主規制ガイドラインなどを設定するのが望ましいと考えます」と指摘する。
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