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DAZN、価格爆上げの衝撃──ライブスポーツ独占チャンネルがもたらす光と影:本田雅一の時事想々(5/5 ページ)
DAZNの月額料金が昨年1月に比べて2倍近くまで値上げした。ライブスポーツを独占するDAZNのこの取り組みは、スポーツビジネスにどのような意味を生むだろうか。その光と影を解説する。
失いたくない、子どもたちとの接点と憧れ
今回の値上げも、コアなスポーツファンが納得するのであれば、受け入れられると思う。結局のところ、好きなものは好き。本当に観たいのであれば、顧客は支払ってくれる。
月額の大幅値上げに比べ、年契約が比較的安く設定されているのも、そうした値上げに逆らえないコアなファン層をしっかりとつなぎ止め、離脱を防ぐためなのだと思う。
しかしビジネスモデルとして理解ができる一方で、今回のことでサッカーが大好きな子どもたちがJリーグの試合に触れる機会が減ってしまうのではないか? という不安を、ふと感じた。
以前ほど放送が多くはないとはいえ、地上波テレビを通じて身近なところにプロ野球を感じていたからこそ、野球少年はプロへの道に憧れるのではないだろうか。やや傍にそれるが、キックボクシングの武尊選手は那須川天心選手との試合を訴える際、子どもたちに無料放送で届けられる地上波での放映を切望していた。
Jリーグの各クラブは、どこも地元コミュニティーとの関係を重視した経営をしているが、試合を映像として観るチャンスが減ってしまうようならば、そんなコミュニティーの絆の強さにも影響が出ないものかと心配になる。
DAZNというスポーツ中継専門のサブスクがあったからこそ、Jリーグは前進できた。しかしそんなサブスクのビジネスモデルが、コミュニティーを停滞させるとしたら、なんと皮肉なことだろう。
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