ドミノ・ピザ、見た目はピザな「バーガー」を発売 なぜバンズで挟む形にしなかったのか?:開発担当者に直撃(2/2 ページ)
ドミノ・ピザジャパンが1月16日に発売した「バーガーピザ・クワトロ」は、見た目はピザなのに食べるとバーガーという不思議な新商品だ。グルメバーガーなど「映え」を意識した商品が多い中で、なぜ「ピザ」の形にこだわったのか?
――まず開発の経緯を教えていただけますでしょうか?
開発担当者: バーガーはファストフードの中で年々宅配シェアを広げているカテゴリーです。宅配ピザも近年需要が拡大しています。バーガーもピザも好きという人は多いだろうと予測していましたが、どちらも一度に食べるわけにはいかない。そこで当社の専門性を生かして、バーガーとピザを融合させ、出来立ての状態で届けられないかと考えました。
――バーガーとピザの需要を両方取り込みたいのであれば、一般的なバーガーの見た目を採用したほうが「映え」でバーガーを購入している層など複数のターゲットを取り込めるのでは?
開発担当者: 当社はこれまでも、デリバリーの最低金額撤廃や1枚買うと2枚無料など、常識を打ち破るキャンペーンや商品販売をしてきました。今回の新商品開発においても、常識を打ち破ることを念頭に置き、見た目はピザだけど食べるとバーガーという、不思議なフュージョン体験を届けたいと思いました。
――そもそもバーガーの形にするという案はあったのでしょうか? コスト面やピザ屋のハンバーガーという視覚的な差別化など意識した点があれば教えてください。
開発担当者: 今回のコンセプトは、バーガーとピザの融合です。バーガーの形をして、味はピザという組み合わせも可能性としてはありますが、ピザとバーガーは作る工程が全く異なります。やはりピザの店として、バーガーをそれに融合させるということを追求しました。
ピザの部分をしっかり残す必要もありますから、むしろ視覚的な面ではピザに見えることを大切にしています。その方が、食べていただいたときのインパクトが大きいと考えています。
――一見、ピザ屋が作った「ピザ」に見えてしまうためバーガーファンが食いつくかは未知数だなと思っています。既存商品ファンがバーガーに移行するという、カニバリズムが懸念される気もしますが、その点についてどのように考えられていますでしょうか?
開発担当者: 確かに見た目はピザなので、未知数な部分はあります。しかし、バーガー好きに食べていただけると、新鮮なインパクトを感じてもらえると思いますし、その流れが広まることを期待しています。
カニバリズムは起こらないと考えています。当社は毎日食べても飽きないよう、常時35種類以上のピザを用意しています。ピザ好きはバーガーもピザも食べたい日にはバーガーピザ、しっかりピザを食べたい日には通常メニュー、といいった棲み分けができていると考えています。
以上がインタビュー内容だ。ファストフード、外食チェーン、専門店などさまざまなプレイヤーがバーガー市場で激戦を繰り広げている。そのレッドオーシャンに身一つで飛び込んでいくのはあまりにも無防備だ。後発だからこそ、「見た目はピザなのに食べるとバーガー」というワクワク感や新たな価値の提供に行き着いた。バーガー市場で一旗あげられるか、今後の動向に期待したい。
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