社会人の5割が「ブラック企業経験者」の一方、「会社がゆるすぎて転職」する人も(2/2 ページ)
キャリア調査機関「Job総研」を運営するライボ(東京都渋谷区)が「2023年 働く環境の実態調査」を実施した。
「ゆるすぎ退職」に至った理由
これまでのキャリアで働く環境がゆるすぎると感じる企業に勤めた経験有無を聞くと、全体の3割を超える人が「経験あり」(34.2%)と回答した。「経験あり」とした人に、ゆるすぎる環境がきっかけで転職をした経験の有無を聞くと、半数近くが「経験あり」(48.9%)と回答。これを年代別で見ていくと、50代が100%で最多回答になり、次いで40代が66.7%、20代が65.4%、30代が37.0%という結果になった。
具体的にどんな事がゆるすぎと感じて転職をしたか尋ねると、「サークル感覚で遅刻や欠勤が日常的にあり、それを叱る文化もなく仕事は楽すぎる」「業務量が極端に少なくて暇な時間が多く、自身の成長スピードに不安を感じた」「会議は基本的に雑談をして終わることが多く、真剣な議題がないのでダラダラと進む」「目標管理などが特にされていないので、基本的に業務への評価をされない」「仕事が楽すぎでスキルが身に付かず、昇格昇級基準がないため給料が上がらない」「誰でもできる仕事内容なのでスキル向上ややりがいを見出せない」などのコメントが集まった。
ブラックな労働環境を連想させる職種について聞くと、「営業職」(43.7%)が全体の4割以上を占め最も多かった。次いで「販売・サービス職」(15.2%)、「技術職」(12.6%)、「医療専門職」(4.8%)、「クリエイティブ職」(4.0%)と続いた。また、ホワイトな労働環境を連想させる職種では「事務・アシスタント」(31.7%)が最多回答に。次いで「公務員」(16.7%)、「企画・管理」(14.5%)、「クリエイティブ職」(6.6%)、「金融系専門職」(5.0%)と続いた。
調査全体では、回答者から「ブラックな環境に対する捉え方が世代別で少し違う気がする」「ブラックも良くないが、ゆるすぎも良くないので程よい厳しさは必要だと思う」「業界や職種によって働く環境はある程度決まる気がするので仕事に何を重視するかが重要」といった意見が寄せられた。
調査は2022年12月28日〜23年1月4日に、20〜1000人規模以上の会社に所属している20〜50代の男女682人を対象に実施した。
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