JR東、「ウェルカムバック採用」開始 出戻り社員の採用を強化する狙いとは
JR東日本が自己都合などで退職した元社員を対象にした新たな採用制度「ウェルカムバック採用」を始めた。他の業界での経験を得た“出戻り”社員の採用を強化することで、社員の生産性向上や企業としての成長を狙う。
JR東日本が自己都合などで退職した元社員を対象にした新たな採用制度「ウェルカムバック採用」を1月20日までに始めた。他の業界での経験を得た“出戻り”社員の採用を強化することで、社員の生産性向上や企業としての成長を狙う。
既存の「再就職支援制度」をベースに、制度の一部を見直した。これまでも、キャリアアップを理由にした転職や育児・介護で自己都合退職した元社員を採用していたものの、旧制度では、退職時のJR東での等級を採用者の給与に一律に反映していた。新制度では、前職の経験やスキルなどを加味し、個別に給与体系を判断する。他の民間企業の経験者採用のスタイルに、より近づけた形だ。
同社は「業界や業種に関係なく元社員を積極的に採用し、退職後に培ったスキルやノウハウ、多様な価値観を社内に還元してもらいたい」と話している。
元社員の「アルムナイ採用」、経団連も注目
元社員を再雇用する制度は、人材業界では一般的に「アルムナイ採用」と呼ばれている。アルムナイ(alumni)の語源は、「卒業生、同窓生」を意味する英語「alumnus」の複数形で、企業にとっては自社の退職者・元社員を指す。
その採用手法は「カムバック採用」とも呼ばれ、近年は日本経済団体連合会(経団連)も注目。「優秀な人材が『一度辞めても復帰できる』という安心感を得ることができ、スタートアップへの転職や起業にチャレンジする心理的・経済的ハードルを引き下げる効果が期待できる」として、加盟企業に導入を呼び掛けている。
アルムナイ採用は、社内文化や事業内容を知る元社員を採用するため、即戦力としての活躍や、入社後のミスマッチが生じにくいというメリットがあるとされている。新たな採用方法をJR東が自社事業の成長にどの程度つなげるのか注目が集まりそうだ。
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