海外の人と働いて「生産性」を高めるには? 時差を武器にする:人的資本開示が義務化(4/5 ページ)
有価証券報告書を発行する大手企業4000社を対象に、「人的資本」の情報開示が義務化される。人的資本をいかに活用していくかが企業の経営戦略のカギを握るわけだが、どのように対応すればよいのだろうか。
米国時間(時差13〜17時間)
米国の場合は昼夜が逆転するため、概念を大きく変える必要がある。
米国在住メンバーが少し遅めの始業〜終業ができれば、日本と同期する業務時間が増える。さらに、時差を利用し「寝ている間に仕事ができている仕組み」をつくることが必須だ。
【例】米国の場合(日本から見てマイナス16時間)
黄:日本タイムと一緒に仕事(打ち合わせ、商談など)
青:個人の仕事
上記のように、それぞれの時差を意識した業務設計が肝要だ。例えば、上記に挙げた米国時間のメンバーの場合、働く時間が重なる3時間の使い方が重要になってくる。この時間を「コミュニケーションの時間」と捉え、業務認識の齟齬がないかなどを、オンラインチャットなどで積極的に確認する必要がある。具体的には、認識の齟齬がないか、アウトプットの方向性は正しいか、今後の依頼予定業務についてのすり合わせなどである。
さらに、海外にいるメンバーとチームとして業務を進めていくうえで重要なポイントは以下の通り。
(1)全員のタスク表を全員で管理
互いに依頼するタスクを、それぞれのタスク表に入力し、抜け漏れをなくす。
(2)「いいやつであろう」の精神
気付いた人が、気付いたタイミングで対応する。放置していたら流れてしまう危険性もあるため、自分の仕事をオーバーラップしながら、お互いにフォローし合う。
(3)テキストコミュニケーションで的確な指示
時差のあるメンバーとのコミュニケーションでは、テキストでのやり取りが増える。相手に伝わるか、分かりやすいか、気持ちよく仕事ができるかなどのテキストコミュニケーション力が必要。
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