大阪の商店街「道具屋筋」は人流を分析して、どう変わったのか:VR商店街がオープン(3/5 ページ)
外国人観光客にも人気の大阪市・千日前道具屋筋商店街では、活性化や安全性の向上を目的にDXに着手している。人流解析や案内ロボットなどを導入し、運営はどう変わったのか。
全店にデータを共有。イベント時にも役立つ
システムの構築・運用費は商店街の振興組合が負担し、毎月はじめに先月の人流分析データを商店街の各店に共有している。各店では、このデータと店の売り上げを比較して営業時間や商品ラインアップなどを調整しているようだ。
「イベントなどを実施しない限り、通行量が著しく増えることはありません。一定の増加が見られたとしたら、外国人観光客の可能性が大きいです。元々、コロナ禍以前は日本語が聞こえないぐらい外国人観光客であふれた商店街でした。人流が増えてきたら、英語の案内を表に出すといった動きをする店もありますね」(岡野氏)
道具屋筋では、PRなどを目的にさまざまなイベントを実施しており、その運営にも人流分析データが役立っている。例えば、毎年10月9日(道具の日)に実施するメインイベントでは、福引の景品準備や警備員の配置に活用している。
カメラを導入する前は、手動のカウンターで15分ほど通行量を測定し、それを基におおよその通行量を算出していた。当時は気付かなかったが、人流分析を始めたところ、通行量に対して福引の利用者が非常に少ないことが分かったという。
「利用者が少なかったのは、福引実施の周知が徹底されていなかったことが原因でした。アナログな方法ですが、全店のレジ横にポスターを貼るようにしたことで、利用者の延べ人数が以前の2倍ほどに伸びました」(城谷氏)
「せっかく期間中に購入いただいても、福引を利用してもらえないのは機会損失です。楽しい体験を提供してSNSで発信してもらう、商店街の認知を広げるといった目的があり、利用者を増やしたいと考えています」(岡野氏)
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