鳥取県のAIアバター職員「YAKAMIHIME」は何者? 担当者に狙いを聞いた:“気まぐれ”さが愛嬌(1/2 ページ)
鳥取県は「メタバース課」を立ち上げ、AIアバター職員「YAKAMIHIME」(やかみひめ)を採用。コロナ禍で落ち込んだ観光需要を回復する狙い。
鳥取県は「メタバース課」を立ち上げ、AIアバター職員「YAKAMIHIME」(やかみひめ)を採用している。24時間365日、メタバース空間を通じて世界中の人とコミュニケーションを取ることで、県に興味を持つ人を増やし、コロナ禍で落ち込んだ観光需要を回復する狙い。
鳥取県東京本部の河上一雄主幹は、「メタバース空間内での情報発信を通じて『メタバース関係人口』を創出したい」と話す。「メタバース関係人口」が増えることで県にどのようなメリットがあるのだろうか。
「YAKAMIHIME」の概要
「メタバース課」は行政上の組織ではなく、架空の部署。音声会話や感情表現が可能なAIを搭載したアバター職員として「YAKAMIHIME」を採用している。
YAKAMIHIMEは質問に対してリアルタイムで適宜回答を行う。県の観光情報やグルメの情報について質問すると、「鳥取砂丘や大山など鳥取県には魅力的なスポットがたくさんあります」などと回答。早口になったり、時々ぶっきらぼうな反応になったり、さまざまな表情で話すのが特徴だ。
「YAKAMIHIMEはコミュニケーションを重ねるごとに学習を積んでいきます。思ったことをそのまま話すのがYAKAMIHIMEのいいところですが、時々間違ってしまったり、妙に返答が冷たいことも。その人間味や親しみやすさを、愛嬌だと思ってかわいがってもらえたらうれしいです」(河上さん)
YAKAMIHIMEの名前は、鳥取県が舞台の神話「因幡(いなば)の白兎」で大国主命(おおくにぬしのみこと)と日本最古のラブストーリーを演じた「八上姫」を由来とする。
鳥取県は他にもメタバース上での取り組みを強化している。2022年5月に、メタバース「XANA」を提供するNOBORDER.z FZE、手塚プロダクション、JTBとジェーシービーの合弁会社であるJ&J事業創造と協業し、NFTゲームカードシリーズ「ASTROBOY x JAPAN(ご当地アトム)NFT」を発売。アトムと鳥取県の観光地を組み合わせたカードを開発し、約90カ国の人々から購入されたという。
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