北欧発の人気テックイベントが日本初上陸、その舞台が札幌だったワケ:新たなスタートアップが生まれるか(4/5 ページ)
札幌市の「さっぽろテレビ塔」で、北欧発の人気テックイベントが開催された。2019年からスタートアップエコシステムを本格化させた札幌市では、道内の課題解決に向けて「北欧流」のアプローチを取っているという。なぜ「北欧」に注目するのか。
合理的な働き方の推進、職員のマインド変化も
北欧は男女平等が進んでおり、ワークライフバランスがすぐれていることでも知られる。米国のソフトウェア企業KISIが発表した「ワーク・ライフバランスがもっとも優れた都市ランキング 2022」では、 1位「オスロ」(ノルウェー)、2位「ベルン」(スイス)、3位「ヘルシンキ」(フィンランド)、4位「チューリッヒ」(スイス)、5位「コペンハーゲン」(デンマーク)とトップ5に北欧が3カ国もランクインした。
北欧流のイノベーション創出を目指すにあたり、事業に携わる札幌市の職員にも合理的でムダを省く働き方が浸透しているという。例えば、打ち合わせは30分までとし、次のステップまで議論して締めくくる、海外視察は報告書を上げるだけでなくプロジェクトを提案する、などだ。
「こういった動きにより、実際に北欧のスタートアップとのコラボレーションの対話が進んでいます。彼らのテクノロジーを使って札幌で実証実験をするなど、2〜3件のプロジェクト案が動き始めていますね。日本は言語的な難易度がありますが、高いモチベーションが維持できています」(阿部氏)
「これまでは、一般論として『北海道の人はあまり野心的でなく、道内のことだけを考える傾向がある』と言われてきました。ですが、今回のテックバーベキュー サッポロを通じて、これほどインターナショナルなイベントが道内で開催できるのだ、地方でもグローバルなエコシステムをつくれるのだと、職員は自信を得られたはずです」(中本氏)
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