コラム
パナの「壁掛けテレビ」がじわじわ売れている “置き方”を変えたらどうなった?:水曜日に「へえ」な話(4/4 ページ)
パナソニックの壁掛けテレビがじわじわ売れている。商品名は「ウォールフィットテレビ」。なぜ人気を集めているのか、担当者に話を聞いたところ……。
羽田空港のフリースペースにも設置
さて、冒頭で紹介したようにウォールフィットテレビの初速はまずまずといったところのようだが、発売してみて想定外だったこともある。価格は30万円を超えているので、お世辞にも「安い」とは言えない(※)。ということもあって、購入層は生活に余裕のある50代以上が多いのかなと思っていたところ、20〜30代が目立っているとのこと。また、壁掛けテレビを初めて購入する人も多いようだ。
(※)ディスプレーの大きさは55インチで、チューナー部に2TBのHDDを内蔵した「TH-55LW1」は37万円前後、USB HDDを接続して録画する「TH-55LW1L」は33万円前後(いずれも想定価格)。
リーチが難しいと思われた層を囲い込めたので、うれしい誤算とも言えるが、その一方でやはり価格はネックになるはず。家電量販店に足を運べば、55インチのテレビであれば10万台で販売している。となると「10万台、30万円台、どちらを選ぶ?」と迫られると、多くの人は安いほうに流れていきそうだ。
もちろん、マーケ担当者もそのことは重々承知していて、「ウォールフィットテレビを設置すればこのように変わりますよ」といったことがイメージできるように、家電量販店だけでなく、家具店などにも置いている。また、ちょっと変わったところでいえば、羽田空港のフリースペースにも設置した。
タッチポイントを増やすことによって、消費者のマインドにどのような変化が生まれてくるのか。その結果を知るには、市場という映像をしばらく見続けなければいけないようだ。
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