イオンが“奇跡の魚”を販売し始めた深刻な理由 10年後、寿司店から国産魚が消える?:食文化を根付かせられるか(1/3 ページ)
イオンリテールは3月上旬まで、“ノルウェーの奇跡”と呼ばれるプレミアムフィッシュ・北極圏の天然タラ「ノルウェー産 スクレイ」をイオン、イオンスタイル約60店舗で試食販売している。その理由は?
イオンリテールは3月上旬まで、“ノルウェーの奇跡”と呼ばれるプレミアムフィッシュ・北極圏の天然タラ「ノルウェー産 スクレイ」をイオン、イオンスタイル約60店舗で試食販売している。
ノルウェー水産物審議会のヨハン・クアルハイム日本担当ディレクターによれば、スクレイは「日本初上陸」だという。フレーク状にほどける食感を特長とする。価格は国産の倍程度で、100グラムあたり429円だ。
ノルウェー水産物審議会と日本レロイ(東京都荒川区)との協業で、2月末まで約20トンの輸入を計画している。ヨハン・クアルハイム日本担当ディレクターは「スクレイはノルウェーで守られてきた最高の品質」だと太鼓判を押した。
スクレイは「放浪者」という意味を持ち、1〜3月上旬にノルウェー沿岸沖のみで漁獲できるタイセイヨウマダラの一種だ。
繁殖地への長い旅の準備に一生を費やすことから「バレンタインの魚」としても知られている。毎年の漁獲量は、ノルウェーで漁獲されるタイセイヨウマダラ全体の約10%に当たる約30万トンまでで、そこから厳しい基準を満たしたものだけが品質表示ラベル付きで販売される。
日本国内で販売するスクレイは、イオンリテールが「ノルウェー産生アトランティックサーモン」で培った空輸ノウハウを生かし、生のまま一度も冷凍せずに空輸で運んだ。欧州ではソテーやムニエル、フィッシュアンドチップスなどの調理で好評を博している。
これまで日本と縁がなかった理由として、日本レロイの四ツ井幸希社長は「安定した供給網の確保が難しかったこと、消費者に国産のタラと比べて希少性を理解してもらうのが難しかったこと」の2点を挙げている。
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