2023年は「ルノー」に注目すべき、これだけの理由:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/4 ページ)
2月6日、日産は「ルノー・日産・三菱自動車、提携の新たな章を開く」と発表しました。これまでルノーが日産株を43.4%、日産がルノーを15%保持していたのを、ルノーと日産がともに15%を保持することに。そんなルノーが、今年は日本市場においても大注目となります。
新型「カングー」が今春登場
そんなルノーが今年の注目株となるのは、ルノー車が数多く売れそうな気配が濃厚だからです。その理由は2つ。1つが今年に登場する新型車、そして2つ目が昨年の売り上げ実績にあります。
今年、日本市場に投入されるルノーの新型車は「カングー」です。カングーは、商用車をルーツに持ち、左右スライドドアを備えるユーティリティモデル。日本車でいえばトヨタの「シエンタ」と同じジャンルのクルマになります。
日本市場においてルノーで最も売れているのが、このカングーだったのです。フランス車らしいデザインの良さと、実用性の高さがウケたのでしょう。年に一度開催されるファンミーティング「ルノーカングージャンボリー」は、数多くのカングーとファンが集まる大きなイベントとなっています。直近の2022年10月開催のイベントでは、1783台のカングーと5025人のファンが駆け付けています。
そのルノーの主力モデルとなるカングーの新型モデルが、23年春に日本で発売となるわけです。当然、確実な売り上げが期待されています。
そこで気になるのが、昨年の状況です。新型が投入されるということで、当然、旧型の売れ行きは悪くなります。22年の旧型カングーの販売はどうだったのでしょうか? なんと7台。1年間で7台しか売れていないのです。
ちなみに21年は1631台も売れてました。ルノーブランド全体の日本における1年間の販売数は、1万台に届きません。過去10年を振り返ると、3000〜7000台というレベル。つまり、カングーは、全体の4分の1ほどを占めるほどの重要な存在だったのです。
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