「さようなら」津田沼パルコ 跡地に“公園”は残るのか:水曜日に「へえ」な話(1/3 ページ)
JR津田沼駅前にあった「津田沼パルコ」が2月28日、45年の歴史に幕を閉じた。売り上げを見ると、ピーク時から4割ほど減少していたようで。駅前の好立地にもかかわらず、なぜ売り上げ低迷に歯止めがかからなかったのだろうか。
千葉県から「パルコ」の看板が消えてしまった――。
2016年、千葉市の中心部で営業していた「千葉パルコ」が閉店し、JR津田沼駅前にあった「津田沼パルコ」が2月28日、シャッターをガラガラガラと下ろした。
津田沼パルコの店舗面積は約4万8000平方メートル。A館とB館、2つの建物で運営を続けてきたものの、近隣の商業施設やネット通販などとの競争が激しく、収益性が悪化していたようで。売り上げを見ると、ピーク時の1991年度には188億円あったが、2019年度は120億円に。実に、4割ほど落ち込んでいたのだ。
なんとか売り上げを伸ばそうと、あの手・この手を打ってきたものの、店舗を取り巻く環境の変化などを考えると、「継続するのは難しい」と判断したようだ。
津田沼パルコが産声をあげたのは、1977年のこと。45年前の話である。パルコがあった場所はもともと畑で、道も舗装されていなかった。その後、近隣に商業施設が建ち始めて、いまの土地で営業を始めたのだ。
40代以上の人にとって、パルコは最先端のモノを販売している店だけでなく、情報の発信拠点といった印象を持たれているかもしれない。地元の若者を中心に注目が集まっていたので、売り上げも好調だったのでは? ……と思いきや、そうでもなかったようだ。「駅前周辺に多くの商業施設がオープンしたこともあって、開業当初は苦戦しました」(津田沼パルコの担当者)
歴史をさかのぼると、津田沼駅周辺には大型店が相次いで誕生している。1976年に長崎屋津田沼店、77年に西部津田沼ショッピングセンター(現在のパルコ、西友)、イトーヨーカドー津田沼店、78年に丸井津田沼店、高島屋百貨店+ダイエー津田沼店――。いまの時代ではちょっと考えられない話だが、大型店が次々にオープンしたことで、どうなったのか。当然、お客の奪い合いが激しくなって、メディアが「津田沼戦争」と報じていたのだ。
その後、競争に敗れていった店が津田沼の地を去っていくことに。長崎屋はわずか3年で、高島屋は1989年に、ダイエーは2005年に、丸井は07年に、それぞれ閉店した。
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