「さようなら」津田沼パルコ 跡地に“公園”は残るのか:水曜日に「へえ」な話(3/3 ページ)
JR津田沼駅前にあった「津田沼パルコ」が2月28日、45年の歴史に幕を閉じた。売り上げを見ると、ピーク時から4割ほど減少していたようで。駅前の好立地にもかかわらず、なぜ売り上げ低迷に歯止めがかからなかったのだろうか。
「公園」の機能は残るのか
こうした変化を受けて、津田沼パルコは商圏の見直しを図った。遠方に住んでいる人に洋服を買ってもらうだけでなく、近隣に住んでいる人に何度も足を運んでもらうことも考えたのだ。例えば、洋服を購入するのは月1回だとして、食料品であれば月2回来てくれるかもしれない。このような方針を打ち立てて、ファッションブランドのテナント数を減らしていく。
もちろん、この戦略が間違っていたという話ではない。時代の変化に対応するために、ターゲット層を見直した。結果、売り上げが急激に落ち込むことはなかったし、競争が厳しいエリアで45年も営業を継続できた、という分析もできる。ただ、客単価が下がったことの影響を受け、売り上げの回復にはつながらなかったことも、また確かである。
さて、津田沼パルコ閉店のカウントダウンが近づくにつれて、さまざまなイベントが実施された。22年12月には、建物の壁面を使ってプロジェクションマッピングを実施したり、店内で開業時から現在までのポスターを展示したり、屋上でバンドが演奏したり。ちなみに、パルコとはイタリア語で「公園」を意味する。その名の通り、地域のイベント会場としての役割を、最後の最後まで果たしたようだ。
津田沼パルコが撤退することによって、跡地はどうなるのか。全体像はまだ決まっていないが、B館は新しく「Viit(ビート)」という商業施設が生まれる。3月には既存の10店舗がリニューアルし、9月までに約30の新店舗がオープンする予定である。「A館はどうなるの?」と思われたかもしれないが、その答えはもうしばらく時間が必要のようだ。
店舗名が変わっても、規模が縮小しても、時代が変化しても。引き続き「公園」の機能は、残るかもしれない。
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