新たな“ドル箱”となるか? 沖縄観光の新トレンド「空手ツーリズム」とは(3/4 ページ)
沖縄の観光ビジネスに変化が起き始めている。これまで、沖縄といえば「南の島」的な側面で人気を集めてきたが、最近は「空手」が注目を集めているようだ。
アゲシオジャパンのYouTubeチャンネルにおける国別アクセスを引きながら、古田氏は次のように話す。
「国別に見ると、最も多いのはインドからのアクセスです。3番目がフィリピンで、5番目がインドネシアと、アジア各国からのアクセスがとても多くなっています。
これまでのツアーは欧米豪からの集客が中心でしたが、アジアの各国は人口が多く、急激に経済発展をしています。これらの国々の人々が、空手に興味を持っていると考えると、空手ツーリズムの可能性は今後も明るいと思います」
「リピーターが増えている」 範士が実感する空手ツーリズムの効果
スマートフォンを片手に、英語で世界各国の門下生とやりとりしているのは、剛柔流9段で、空手道場「順道館」で指導に当たる金城常雄範士だ。南アフリカ、カナダ、イタリア、スペインなどたくさんの国から直接問い合わせが来ている。沖縄の道場で金城範士から教えを受けたいという内容で、「今日も、米国から7月に20人来ることが決まりましたよ」と金城範士はほほ笑む。
沖縄を訪れる人は、自国で道場を開いている熟練者がほとんどで、生徒を引き連れて団体で来る場合が多いという。また、一定以上の昇段審査を沖縄の総本部で受けるために訪れる人もいる。コロナ前の17年には、稽古や審査などで世界各地から27団体、年間242日も受け入れていた。
金城範士は前述のアゲシオジャパンと提携している先生の一人だが、提携前に個人で海外の空手家を受け入れていた際は、ホテル手配やスケジュール管理などがスムーズにいかないことも多々あった。
アゲシオジャパンと提携して以降は「広告も集客も決済も全部やってくれるわけですからね。そのような細かいやりとりを全部やってくれるのは助かります」と話す。アゲシオジャパンでは空手道場での鍛錬以外にも、離島巡りやダイビングなど、沖縄を満喫できるプランを手配しているため「沖縄に来てさまざまな体験ができるという点で満足度が高く、リピーターもどんどん増えています」とも実感を述べる。
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