「かけるだけ」でシワ・ニオイ・花粉を除去 LGの新感覚家電、売上成長の背景:3分インタビュー(1/3 ページ)
新時代の衣類ケア家電「LG Styler」が話題。クローゼット型の家電で、衣類をかけておくだけでシワやニオイ、花粉やウイルスを除去できる。購入者のニーズはどういった部分にあるのだろう。
3分インタビュー:
「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
「飲んで帰ってきたらアウターがタバコ臭い」「1日着ただけでスーツにシワが……」――そんな日々の悩みを解決する新時代の衣類ケア家電が話題を集めている。LGエレクトロニクス・ジャパンが提供する「LG Styler(スタイラー)」だ。同製品はクローゼット型の家電で、衣類をかけておくだけでシワやニオイ、花粉やウイルスを除去できる。
価格は約15万〜22万円。決して安いとはいえないが、販売を開始した2017年から売り上げを伸ばし続け、5年間で販売数は2.6倍に。購入者のニーズはどういった部分にあるのだろう。
シワ・ニオイ・花粉を除去 家で衣類をリフレッシュ
LG styler内部のハンガーに衣類をかけると、シワを伸ばし、消臭や除菌をする。また、ほこりやダニ、花粉も取り除く。毛皮や革、ウール素材にも使えるのが特徴だ。
「スチームウォッシュ&ドライ」と呼ばれる方法で、洗濯をせずにスチームと振動により衣類をケアする。仕組みは(1)独自技術を活用し、庫内に60〜70度のスチームを発生させて循環させる(2)同時にハンガーラックを1分間に最大180回振動させる――このダブルの効果で、菌やホコリなどを除去。最後に低温乾燥して仕上げている。
シワやニオイ取り、除菌を総合的に行う基本的な「リフレッシュコース」の他に、「除菌/衛生」「乾燥」「花粉」に特化したコース、「スーツ/コート」「ウール/ニット」など素材に合わせて選択できる専用コースを約20コース用意。なお、専門コースは、Wi-Fi経由で専門アプリを通してダウンロードする必要がある。除菌に特化したコースでは、花粉・ダニ・雑菌・ウイルスなどをすべて99%以上低減するとしている。
LG stylerは洗剤を必要とせず、家庭用電源と水しか使用しない。給水タンクに約1.7リットルの水道水を入れるだけで、平均5回分使用可能。循環するスチームが衣類を包み込みながら、ハンガーラックが左右に揺れる構造なので、摩擦が起きず、衣類を痛める心配がないという。
11年に韓国を中心に世界9カ国で発売、日本での販売は17年に開始した。現状は洋服3着、ズボン1着をかけられるモデルをホワイト、ミラー、ミストグリーンの3色、洋服5着+ズボン1着かけられる大容量モデルを1種、計4種を扱っている。
販売は好調で、老若男女問わず幅広い層から支持を集める。LG stylerの価格は“安い”とはいえないが、どのような点が評価されているのだろう。マーケティング統括責任者の宇佐美夕佳さんに話を聞くと、購入者の多様なニーズが見えてきた。
関連記事
- ドンキ「NHK受信料不要のテレビ」、なぜ中年に人気? 最新の売れ行きを開発者が分析
ドンキの「チューナーレス スマートテレビ」が好調だ。同社に売れ行きについて話を聞くと、担当者も驚いたと話す“意外な購買層”が分かった。誰が、どんな目的で買うのか。 - 「溶接の作業着」がキャンパーに爆売れ ワークマンが「エクセル研修」を強化して見えた新たなニーズとは
ワークマン好調の背景には「データ活用の強化」がある。作業服だけではなく、新業態を続々とオープンし、新規層を獲得。「エクセル研修」を強化して見えた新たなニーズとは? - 「カゴの大きさは盲点だった」 ドンキの電動自転車を変えた、お客の意外すぎる「ダメ出し」
ドン・キホーテが"カゴの大きい"電動アシスト自転車「EVA PLUS2」を発売した。なぜ「カゴの大きさ」にフォーカスしたのだろう。担当者に開発秘話を聞いた。 - 全国にたった“17人” スタバ黒板アート職人「GAHAKU」は何者なの?
日本のスタバには、「GAHAKU」と呼ばれる黒板アートの達人が存在する。GAHAKUは全国にたった17人。倍率12倍以上の選考を勝ち抜き、従業員の“お手本”となる黒板アートを制作している。 - 「品質がよくない」「普段の1.5倍の値段です」 顧客満足度No.1のスーパーで見つけた“正直すぎる”ポップの真意
「普段の1.5倍の値段です」「品質がよくない」――オーケーで見つけた正直すぎる掲示。「オネスト(正直)カード」と呼ばれているらしい。こんなに正直に商品のマイナス面を伝えて大丈夫なのだろうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.