「かけるだけ」でシワ・ニオイ・花粉を除去 LGの新感覚家電、売上成長の背景:3分インタビュー(2/3 ページ)
新時代の衣類ケア家電「LG Styler」が話題。クローゼット型の家電で、衣類をかけておくだけでシワやニオイ、花粉やウイルスを除去できる。購入者のニーズはどういった部分にあるのだろう。
担当者に話を聞いた
――LG Stylerを開発した経緯を教えてください。
宇佐美: 「出張の時に洋服にシワができるのがストレス」という弊社の役員の意見がきっかけで開発を始めました。ビジネストリップはなるべく洋服を少なく持っていくと思います。「次の日も同じスーツを着たい」と思った時に、シワがあってはストレスですよね。同様の考えを持つ人は多いのではないかと考えました。
海外では大きめの5着モデルがスタンダードなのですが、日本での販売に際し、家屋の状況を考慮して3着用のスリムモデルを用意しました。また、「花粉ケア」など、日本向けのコースもそろえています。
――LG Styler購入者のニーズは、やはり「シワを取りたい」というものが多いのでしょうか?
宇佐美: もちろん「シワ」も多いですが、20〜21年は新型コロナの影響もあり、「除菌」のニーズが増えました。
最近は「ニオイ」のニーズも高いですね。例えば、ゴルフのキャップやグローブ、お子さまのヘルメット、スポーツ用品など。汗のニオイもとることができるので、“洗濯できないけれどニオイが気になるもの”にお使いいただいているケースが多い印象です。また、バレエやフィギュアスケートの衣装などのケアに活用されている方もいます。
洗剤を使いたくないというニーズもあります。化学洗剤に拒否感がある方、アレルギーをお持ちの方、石油系の洗剤のニオイが苦手な方からの購入も多いですね。ペット用品やベビー服でも活用していただいています。
――購入者の年齢層や属性を教えてください
宇佐美: 購入者のボリュームゾーンを聞かれることも多いですが、デモグラフィックデータ(年齢や性別、居住地、職業などの人口統計学的なデータ)での分布はないと考えています。例えば、「衣類のシワ」に悩んでいるのは、ビジネスマンの奥さまかもしれないですし、子どもがいるお父さまかもしれないですよね。
属性に関係なく、「家で簡単にシワを取りたい」「洗濯できない衣類を消臭したい」など、お客さまが持つ何かしらのお悩みに、LG Stylerであれば手間をかけずに対応できるため、購入していただいているのだと考えています。
――なるほど、確かに「ビジネスマンだけがシワに悩んでいる」わけではありませんよね。家庭以外での導入も多いのでしょうか?
宇佐美: 18年からホテルでの導入が増えました。宿泊してご体験いただいた方からの購入が非常に多いですね。最近は美容サロンや飲食店への導入も増えています。来店時に衣類を預け、施術、食事が終わった際にリフレッシュした衣類を渡しているようです。
また、グランピング施設に導入しているケースも。日中着用したウェアを寝ている間にLG Stylerでリフレッシュすると、炭のニオイなども全部とれるんです。実際に自分もグランピング施設で使用したのですが、複数枚の洋服を持って行かずに済み、快適に過ごすことができました。
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