「昭和のクルマ」が人気、 日本のモノづくりは再び強くなるのか:高根英幸 「クルマのミライ」(5/5 ページ)
「旧車」が盛り上がっている。さまざまなイベントに登場するだけでなく、取引価格も上昇傾向にあるのだ。それにしてもなぜ旧車が注目されているのか。背景にあるのは……。
旧車は貴重な存在に
今回のノスタルジック2デイズに出展されたクルマを見ると、コンディションは全体的に向上している傾向がある。今後も旧車は、ますます貴重な存在になっていくだろう。
日産のモータースポーツ部門やチューニングパーツを扱うニスモは、世界中で人気が急上昇しているR34型スカイラインGT-Rのニスモコンプリートカーを展示。コンディションの素晴らしさもあり、マニア垂涎(すいぜん)の1台だろう。海外へも部品の輸出は増えているようだ
日本もこれからクルマやオートバイを楽しむのは富裕層が中心になり、より充実したサービスが求められるようになる。欧米で楽しまれてきたカーライフに近付いているとも言えるのだ。
日本の部品業者も製品を充実させていけば海外への輸出が増え、日本車を楽しむユーザーに対してのパーツ販売がビジネスとして成り立つはずだ。
日本のものづくりの技術とこれまでつくられてきたクルマという財産、そしてそれらを産業に生かす――。柔軟な発想から生まれるビジネスや、それを支え実現させるには新たな規制緩和や法整備が必要だろう。
筆者プロフィール:高根英幸
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。近著に「ロードバイクの素材と構造の進化(グランプリ出版刊)、「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。
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