連載
出生数80万人割れ 成長が「無理ゲー」のいま、企業に残された最後の人事戦略とは?:働き方の見取り図(1/5 ページ)
出生数が1899年の統計開始以来、初めて80万人を割った。生産年齢人口の男性だけを戦力と見なした人事戦略では、この先の企業経営は立ち行かなくなる。人口減少社会で企業に残された人事戦略とは?
出生数が80万人を切ったと多くのメディアが伝えました。厚生労働省が2月に発表した人口動態統計速報によると、2022年の出生数は79万9728人で過去最少とのこと。NHKは「去年の出生数は79万9728人 初めて80万人下回る 厚労省」と題した記事の中で、国立社会保障・人口問題研究所の予測では80万人を下回る時期が2030年だったと指摘しています。少子化が進むスピードは加速しているようです。
ネット上では「すごい速さで衰退していく」「日本終了待ったなし」――などと心配する声が聞かれました。出生数80万人割れが衝撃を持って受け止められていることが分かります。ただ、それは生まれたばかりの赤ちゃんの話。日々の通勤ラッシュや人気の飲食店で並んでいる行列、休日のショッピングモールの人混みなど世の中が人であふれかえる様子を見ていると、少子化で日本が衰退するとは言いつつ、あまり実感が湧かない人もいるかもしれません。
この先も減り続ける出生数
関連記事
- 5年で1兆円の投資がムダに? リスキリングを生かすため、企業に欠かせない「業務デザイン力」とは
政府が5年で1兆円を投資すると発表したこともあってか、毎日のように目にするリスキリングという言葉。新しい技術がどんどん生み出される中、学び直しをビジネスシーンでうまく機能させるためには何が必要なのか。 - DX人材の活躍の場はどこに? リスキリングだけでは賃上げが実現しない理由
技術革新が目まぐるしく進む中で、リスキリング(学び直し)の重要性が叫ばれている。新しい知識や技能を習得することは重要だが、学び直しだけで本当に賃上げは実現できるのか。 - “とりあえず出社”求める愚 「テレワーク環境」を整えない会社に未来はないと思うワケ
コロナ禍で高まったテレワーク推進機運は、経団連の見直し提言もあり、実施率が下がっている。テレワーク環境が整っていなければ、ワークライフバランス環境で見劣りし、他社の後塵を拝することにもつながる。 - 「出社回帰」鮮明に 企業の6割「テレワークの頻度減らした」 理由は?
コロナ禍の行動制限の緩和を受けて、企業の6割が「テレワークの頻度を減らした」――。そんな結果が、就職情報企業の学情(東京都千代田区)の「勤務形態」に関する調査で明らかになった。 - サントリー・日本生命に続く企業は……? 賃上げムードが高まらない根本的な理由
サントリーが6%の賃上げを目指しているとのニュースに続き、日本生命も営業職員について7%の賃上げ方針を発表した。両社に追随する会社が現れて、賃上げ機運が高まっていくことになるのか――。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.