売り上げを伸ばすために、データ分析で必要なこと:「データドリブンセールス」を考える(2/4 ページ)
売り上げを伸ばすために、データをどのように分析すればいいのだろうか。一口に「データ分析」といっても、内容はさまざまで……。
3つのステップ
ステップ1:改善するKPIを明確にする
前回の記事で説明したような、現状の可視化を行なった現場では、手元に売り上げにつながるKPIツリーがあるはずです。このKPIツリーから、今回改善するKPIを明確にしましょう。
ここを明確に定義しないと、データ分析ユースケースを実行した結果を正しく評価できないため、データドリブンセールスの目的の一つである「客観的な指標に基づく業務改善」が達成できなくなってしまいます。
また、売り上げにつながる目的が明確でないとも言えるため、経営層や担当者の理解が得られず、現場にデータ分析が定着しない原因にもなります。
こうした問題を解決する方法として、ボトルネックとなっているKPIを選んでもよいですし、特に解決したい課題が現場にあれば、「その課題を解決すると、どのKPIが改善されるのか」を明確にして選んでもよいでしょう。
もし、上記の方法でも改善すべきKPIが見つからない場合の対処法に関しては、次章で説明したいと思います。
ステップ2:改善するKPIから売り上げにつながるまでのKPIが観測可能であるか確認する
改善するKPIが明確になったら、次にそのKPIから売り上げにつながるまでのKPIが観測可能であるか確認しましょう。売り上げにつながるまでのKPIが観測できないと、目的のKPIを改善したが、なぜか売り上げが上がらないなんてことが発生します。
例えば、「顧客のリード獲得数」を改善すべきKPIに設定したとしましょう。改善のためのデータ分析ユースケースがうまくはまり、リードが倍増したとします。しかし、増えたリードのほとんどは自社商品へのニーズが薄い顧客ばかりだったので、成約には結びつかず、売り上げは伸びませんでした。
なんてことが起こり得るわけです。これを防ぐためには、増えたリードのナーチャリング(顧客の育成)成功率や、成約率、受注した金額などを観測できるようにし、売り上げにつながるロジックが正しいかどうか検証可能にしておく必要があります。
もし、改善したKPIから売り上げにつながるまでのKPIが観測できないのであれば、まずそれらを観測可能にするか、別のKPIを設定するようにしましょう。
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