2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

AIを活用して洋服を開発、どうなったか?10万人以上のデータを使った(3/5 ページ)

AIを活用した商品開発にヒット事例が生まれ始めている。ファッション領域でパーソナルスタイリングサービス「DROBE(ドローブ)」を提供するドローブ社では、2021年の秋冬シーズンから10万以上の会員データを取り込んだAIを商品開発に活用。AIはファッション業界の商品開発にどんな価値をもたらすのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

消化率9割の商品も。ヒットの確率が高い

 ドローブ社のパーソナルスタイリングサービスでは、200以上のブランドの洋服を扱うかたわら、自社ブランドのグリナリーを立ち上げ、自社でも洋服をつくっている。

 そもそもAIによる商品開発を始めたきっかけは、グリナリーの売り上げ向上が目的だった。売り上げの85%を継続会員が占めていて、その人たちに2〜3カ月後に洋服を送ることが分かっているので、「その間に会員が求める洋服を自社でつくればいいのでは」と考えたのだ。より個人の好みにフォーカスするオーダーメイドの考え方に近いかもしれない。


トレンチコート(写真左)は23年春夏の最新作、消化率が約90%とヒット商品になったスカート

 実際に開発してみたら、結果は好調だった。これまでに3シーズンをAIで開発したところ、21年秋冬、22年春夏の商品は消化率が約90%に。つまり生産分の約90%が売れたわけだ。手応えをつかんだことから他社との共同開発にも着手、これまでにアパレルメーカーのヒロタ、ノーリーズ、自社ブランド靴の企画販売などを手掛けるダニュウと協業し、商品を発売している。


ダニュウと共同開発したスニーカーは、キレイめのテイスト、やや厚底、オフィスシーンといったAIが導き出した要素を生かした

 そのうち、ダニュウの自社ブランド「MIO NOTIS」(ミオノティス)と共同開発したスニーカーは、発売から2カ月で消化率が約70%に到達。その後も順調に売れ続けているそうだ。


ヒロタとコラボしたブラウスは、販売時期のズレがあり数字はよくなかったという

 一方で、第1弾として発表したヒロタとのコラボ商品は数字が振るわなかった。原因はコロナ禍の影響で発売が夏から秋にずれ込んだためと予想しているという。まだ数字データは収集前だが、ヒロタとはこの3月にも共同開発したマリンパンツを発売している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る