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AIを活用して洋服を開発、どうなったか?10万人以上のデータを使った(4/5 ページ)

AIを活用した商品開発にヒット事例が生まれ始めている。ファッション領域でパーソナルスタイリングサービス「DROBE(ドローブ)」を提供するドローブ社では、2021年の秋冬シーズンから10万以上の会員データを取り込んだAIを商品開発に活用。AIはファッション業界の商品開発にどんな価値をもたらすのか。

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売れると分かっているから冒険できる

 ファッション業界に詳しい佐熊氏は、従来の商品開発と比較してAIを活用するメリットは大きいと話す。

 「ファッションにおける商品開発は、人の感性に頼る要素が大きく、特に最初の入口は人の声が反映されることがほとんどだと思います。売れ筋のデータはあるにはあるのですが、ファッションの好みは地域差や個人差が激しく、流行も移り変わります。さまざまな要素を鑑みつつ、どうしても人の感性で決める場面が増えます。何となく売れそうだけれど確信はないので、原価率はできる限り抑えようと考えますよね。

 その点、AIによる商品開発は売れる要素だけを取り入れているので、一定以上は消化できると予測できる。消化が安定していれば原価率を上げても商売が成り立ちます。ベースの要素以外のところで冒険もしやすいんですよね」(佐熊氏)


テック業界出身の山敷氏(写真左)とファッション業界で経験を積んできた佐熊氏

 効率化できたり、属人化を防げたりする点も事業成長の助けになるという。

 「人が一から商品を企画すると、どうしても多くの迷いが生まれます。その結果、見てみないと分からないとサンプルを両方つくることになり、コストも時間もかかります。それをムダとはいいませんが、信頼できるデータをベースにすれば時間もコストも短縮できます。

 また、データをベースにして商品開発することで、組織編成が変わっても売り上げのブレを減らせる可能性があるだろうと。例えば、声の大きいディレクターが存在する場合、その人がいなくなるとガラッとデザインが変わって売れなくなる、なんてこともあるので」(佐熊氏)

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