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コロナ禍で得たものとは? JTBが「学び」で組織風土を変革する理由「自律創造型人財」を育成(4/6 ページ)

旅行大手のJTBは、2018年から「キャリア改革」に着手。既存事業の外でも活躍し、自らキャリアを切り開く「自律創造型人財」の育成を目指す。コロナ禍による激変やそこで生まれた危機感を経て、スキル・キャリア開発を進める一方、組織風土の改革が今後の課題だ。

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スキルや意欲に応じて、学びを「レコメンド」

 また、JTBユニバーシティでは、ラーニングマネジメントシステム(LMS)を21年に本格導入。研修の申し込みから自身の学習状況の把握まで、主体的・能動的なスキルアップを支援する。22年には、個人のキャリア志向やスキルに応じて学びを「レコメンド」する機能も追加し、運用を始めた。

 例えば、全社員が対象のリーダーシップ研修を開催する際にレコメンドを実施。社員のアンケート回答から、スキルを伸ばしたい項目として「プロジェクトマネジメント」「課題解決力」を選んだ社員に対して、システム上で研修の案内を送付した。すると、1日で定員が埋まった。

 また、管理職向けキャリア研修では、「キャリア面談で部下と何を話したらいいか分からない」という悩みを持つ社員に受講してもらい、反応が良かった。これは、人事評価を行う役職の人たちにレコメンドしたという。


JTBユニバーシティで導入したLMS「J-Campus」の画面(JTB提供)

 現在は手動でレコメンドを行っているが、キャリア志向や学習履歴などと連動させて自動化することも見据えている。他にも機能追加をするなど、LMSのアップデートを続ける。「自分が目指すキャリアにはどのようなスキルが必要か」の見える化も目指す。

 「人的資本経営のためには社員のタレントの見える化が必要ですが、現状は『“人事”情報は分かるが、“人財”情報は見えない』という話をよく聞きます。当社でも、それを見える化し、人事運用や評価、個々のキャリア自律と連動できれば。それが、LMSで目指すところです」(田中氏)

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