大規模オフィスを10分の1に縮小したLIXIL 「1周400メートル」に込めた思いとは:オフィス探訪(2/4 ページ)
東京・品川の住友不動産大崎ガーデンタワーに本社を移転したLIXIL。大規模だった旧オフィスから一転、新拠点では敷地面積を約10分の1に縮小し、オフィスを「コラボレーションを促進する空間」と再定義した。オフィスの移転理由から新オフィスに込めた思いまで、総務部部長の林崇志氏に話を聞いた。
オフィスで働いて健康増進!
林氏の言葉通り、新オフィスはABWを導入し従業員が働く場所を自由に選べるようにした。同オフィスには約6500人の従業員が在籍しているが、リモートワークが主流となったため執務席も約500席まで削減した。
現在、同社の出社率は約8%。このことに関して、林氏は「部署ごとに考え方が異なります。例えば工場とオフィスの行き来が必要な部署に在籍している従業員は出社が必要ですし、反対に100%在宅勤務に振り切っているところもあります」と語る。
早速LIXILの新オフィスを見ていきたい。どれどれ……と林氏に案内してもらっていると、オレンジ色の人型アイコンが至る所にあるではないか。オフィスの角、はたまたソファーの隅にも……。「こいつは一体何者だ」と考えていると「オレンジさんです」と林氏は説明する。
オレンジさんと呼ばれるこのアイコンは「WALKING PATH」と書かれている通り、オフィスの歩行ルートを示している。マップの通りオフィスを1周すると400メートルになる。従業員の健康増進とコミュニケーション創出を目指す狙いがあるという。ほかにも、ウェルビーイングの観点から、体を動かせるスポットも用意しているのだとか。
せっかくなので、オレンジさんのルートに従ってオフィスを1周することにしよう。
来客用エントランスから続く先には「OMOTENASHI」との名が付いた会議室を配置。社内用・社外用含めて63部屋用意していて、その前にはちょっとした執務ができる待合スペースを設置した。
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