ニュース
株価が急上昇! 最先端の米医療ビジネスは何がすごい?:石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(1/3 ページ)
米国で、医療ビジネスに大きなビジネスモデルの変革の波が訪れている。この記事では、「通院・相談に勇気がいる分野」を主戦場に急成長したベンチャー企業に着目し、巨大な市場で勝ち抜くヒントを解説する。
米国で、医療ビジネスに大きなビジネスモデルの変革の波が訪れています。
前回の記事では、アマゾンやウォルマートといった巨大な資本を持ったリテール大手が医療分野に次々と参入している流れについて紹介しました。
今回は、同じく米国の医療分野で大きな飛躍を遂げているD2Cのバーチャルヘルスケア企業であるヒムス&ハーズ・ヘルス社(以下、hims)のアプローチについて深堀りすることで、米国の遠隔医療やヘルスケアマーケティングのトレンドを解説したいと思います。
「通院・相談に勇気がいる分野」を主戦場に、株価が急上昇
himsは2017年にサンフランシスコで創業した、遠隔診療と処方箋を消費者へ直接提供するD2Cモデルを組み合わせた新しい形のヘルスケアカンパニーです。主にセクシャルヘルス、メンタルヘルス、スキンケアや脱毛薬など、通院したり相談したりするのに勇気がいる分野を中心に取り扱うことで「治療を受けることに対するスティグマ(偏見)をなくす」ことを目的としています。
同社は21年1月21日に特別買収目的会社(SPAC)のオークツリー・アクイジションとの合併を通じて上場を果たし、上場時の企業価値は16億ドル(約2170億円)もの評価を受けました。
そして、最新の決算では、21年の2億7190万ドル(約369億円)に対し、22年にほぼ倍増に匹敵する5億2690万ドル(約715億円)という記録的な収益の伸びを報告したことで株価が急上昇し、あらためて注目を集めているのです。
関連記事
- 給与と労働時間、どちらを優先? 日立とパナソニックの「週休3日」は全く違う
連日「週休3日」が話題になっている。日立製作所とパナソニック ホールディングスが相次いで2022年度中の導入を検討していると発表したことがきっかけだ。しかし、日立とパナソニックの「週休3日」は全く異なるものだ。どういうことかというと……。 - DXとは「すっ飛ばす」こと DXが進まない企業に欠けている視点
DXは間違いなく、現在ビジネスにおけるトレンドワードだ。しかし、その本質を理解している人はどれだけいるだろうか。本記事では350以上の企業などで組織・業務改革支援の経験を持つ沢渡あまね氏が、単なる“デジタル化”では成し得ない、“DXの本質”について解説する。 - 「残業しない」「キャリアアップを望まない」社員が増加、人事制度を作り変えるべきでしょうか?
若手や女性を積極的に採用したところ、「残業はしない」「キャリアアップを望まない」という社員が増え、半期の評価ごとに成長を求める評価制度とのミスマッチが起きている──こんな時、人事はどうしたらいいのだろうか? 人事コンサルタントが解説する。 - 定年再雇用「60歳以降、1年ごとに1割給与を減らす」はOKですか?
定年再雇用を新設する際、「60歳以降、1年ごとに1割給与を減らす」制度は問題ないか。実例を踏まえ、人事コンサルタントが解説する。 - 崩壊寸前だったVoicy 離職率67%→9%に立て直した人事責任者が語る“人事の本質”
日本の音声コンテンツ市場の先頭を走る、音声メディア「Voicy」。3カ月で利用者数が2.5倍になるなど、コロナ禍で驚異的に成長している。しかし、たった1年半前は離職率が67%にのぼり、組織崩壊寸前だったという。そんな中でVoicyに入社し、抜本的な人事改革を行ったという勝村氏。一体どのような改革を行ったのか──?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.