家電の「サンコー」がテレビに何度も登場する、納得の理由:広報戦略を聞いた(2/5 ページ)
おもしろ家電で知られる「サンコー」は、年間200回を超えるテレビ出演などメディアでの露出を多数獲得している。このPR戦略を実行するのが、自身をキャラクター化して活動する○(土へんに谷)晋介(えき・しんすけ)氏だ。一体どんな人物なのか。同社の広報戦略を聞いた。
名物広報「エッキー」とは何者か
現在、執行役員/広報部 部長を務めるえき氏は、15年に営業としてサンコーに入社している。その後、16年6月に広報部を立ち上げ、一から同社の広報部を作り上げてきた人物だ。
「実はサンコー以前に働いていた会社でも、営業に加えてプレスリリースを書く広報業務に携わっていました。商品が売れないとクビになるかもしれないといった厳しい状況下で、どうしたら売れるかを考え、メディア露出を狙ってみようと。手探りで書いたプレスリリースでしたが、テレビや新聞の露出を獲得できて商品の売り上げにもつながりました。
そんな経験からメディア露出の重要性を身をもって知っていたわけですが、広報に注力していないサンコーの体制がもったいないなあと感じました。そこで、営業を担当しながらプレスリリースを執筆させてほしいとお願いして、結果的に広報部の設立にいたりました」
広報部を立ち上げた後、えき氏が実践したのは自身のキャラクター化だ。エッキーというニックネームを使って、親しみやすさを演出。そのうち、ワイシャツを明るいオレンジ色に変え、エッキーポーズも作った。
「18年に有名なテレビ番組で当社の特集が組まれることになり、僕も著名人の隣で出演する機会を得ました。それならインパクトがほしいと思い、当時、店舗や通販でメインカラーとしていたオレンジのワイシャツを取り入れました。それからオレンジが定番化しました」
自身をキャラクター化してから、メディア露出はどんどん増えていったという。テレビだけでも、19年度200回、20年度301回、21年度267回と順調に露出を獲得している。
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