「タイ版のリップモンスター」が人気 マスクをしても崩れない:「タイコスメ」が売れている(4/5 ページ)
コロナ禍のマスク生活を通じて、タイコスメの人気がグンと上昇している。22年の売り上げは、リアル店舗のみで前年比2倍以上の伸びを記録した。国内におけるタイコスメのトレンドを仕掛けた、日本機能性コスメ研究所の林紗陽社長に、その背景を聞いた。
日本仕様にローカライズして大ヒット
そもそも林氏がタイコスメに注目したのは、日本の化粧品とは異なるパッケージのかわいさや発色の良さ、独特の香りに魅了されたためだ。欧米のトレンドが混ざったようなメイクカテゴリーであり、ユニークに感じたという。
とはいえ、日本人はあまり香りが強いものを好まない傾向がある。香りが特徴的なボディローションなどよりも、「とりあえず試してみよう」と受け入れられやすいメイクアイテムから上陸させたところ、ヒットにつながった。手応えをつかみ、22年にはタイ企業と日本機能性コスメ研究所でタッグを組み、タイ×日本の共同開発商品の発売にも踏み切った。
タイ×日本で共同開発した「CathyDoll(キャシードール) モンスーンカラーマスカラ」。皮脂や汗、涙、湿気、擦れにも強いウォータープルーフ&マスクプルーフ処方だ(写真提供:日本機能性コスメ研究所)
なかでもタイ企業と共同で立ち上げたブランド「 frunflynn(フルンフリン)」から、22年12月に発売した「frunflynn シャインユー グロウティント」(全6色/1320円)は、発売から1日で4色が欠品になるほどの反響だった。
SNSで「タイ版のリップモンスター」と投稿されたことも、ヒットにつながったとか。「ケイト リップモンスター」はコロナ禍で「色が落ちない」として支持を集め、約4カ月で累計出荷数100万本を突破した大ヒット商品だ。
タイコスメの火付け役となったブランド「シーチャン」とも共同開発で、スキンケアもできる「ブライト&ブルーム 24 スキンケアパウダー」(1980円)を発売。23年3月下旬に先行発売し、すでに人気に(筆者撮影)
「本格的にオフラインでタイコスメを発売したのが、21年からです。ドン・キホーテやロフトといったバラエティショップのほか、全国のドラッグストアなどに商品を配荷するようになりました。
オンラインよりマス向けになるので、さらに機能性を重視して日本のトレンドに合わせたものをつくろうと考え、商品を開発しました。タイ企業のノウハウをベースに当社が商品のプロデュースを行い、色みやツヤ感、パッケージなど日本でウケるように改良して、ヒットにつながりました」
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