大塚「おにぎり ぼんご」はなぜ人気なのか 休日は6時間待ち:握らない(3/5 ページ)
JR大塚駅の北口から徒歩2分、老若男女から熱烈な支持を得る、おにぎり専門店「ぼんご」。平日は2時間以上、土曜や祝日は6時間ほどの待ち時間が発生する。何が人々をここまで魅了するのか。
客と密に接する「カウンター」スタイル
今回、筆者はトッピングで一番人気の「すじこ+さけ」、2位の「卵黄+肉そぼろ」、具材人気5位の「明マヨクリームチーズ」を実食した。ご飯も海苔も具材もおいしく、率直に「また食べたい」と思ったのだが、右近氏の人柄に触れ、「ぼんご」に存在する「味以外の魅力」もまた強烈な印象として残った。
実際、右近氏も「おにぎりにこだわりはあります。けれど、たかがおにぎりだから。もっと大事なのは、誰と、どんな場面で食べるかなんです」と話す。
こじんまりとしたカウンタースタイルと、右近氏がつくり出すホッとするような空気感。これは、なかなか他店では出せないかもしれない。この日も、満面の笑みとよく通る声で開店前に並ぶ客にあいさつしていた。
店内での接客の様子を見ることは実現しなかったが、右近氏いわく「スタッフみんなとお客さんで会話する」そうだ。「ここの空気感は(他の店と)ちょっと違うね」と、雰囲気を好む人はかなり多いという。
「ぼんご」の人気が加速したのが、今から10年ほど前。メディア露出が増え、毎日のように長蛇の列ができるようになったのは、5〜6年前から。1日に1200〜1500個ほどのおにぎりを販売する。今は新規客が多いが、以前は常連客ばかりで客の要望から新メニューが誕生することも珍しくなかったそうだ。
「タラコにマヨネーズ入れてよ」「ツナにネギ足して」「チーズをトッピングしたい」といったリクエストを聞いているうちに、メニューとして並ぶようになった。カウンター越しに客の顔を見て、会話をして、食べ残しを観察して、改良に改良を重ねてきたのだ。
関連記事
- バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。 - 「乃が美」と「いきなり!ステーキ」の共通点は何か 両社がハマった沼
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」が苦戦している。贅沢品を扱う両社はなぜ低迷しているのか。共通点を探してみると……。 - キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.