「東京ミッドタウン八重洲」から変わる東京駅前 “開かれた”施設が街に何をもたらすか:オフィスは満床(4/5 ページ)
3月にグランドオープンした「東京ミッドタウン八重洲」。オフィスや店舗をはじめ、多様な機能を有する“ミクストユース(複合用途)型”の施設だ。新施設を皮切りに、八重洲エリアの再開発も加速。開発した三井不動産に、新施設の機能や今後の街づくりについて聞いた。
オフィスは満床、働き方模索する企業が賛同
施設の大部分を占める7〜38階のオフィスフロアでも、新しい機能を持たせた場所や最新技術を多数取り入れている。7階には、三井不動産が展開する法人向けシェアオフィス「ワークスタイリング」の過去最大規模の拠点を設置。他の拠点よりも個室ブースを多く設置し、リモートワークの需要に対応した。
また、主にテナント企業の社員向けのフィットネスジムやラウンジ、カンファレンスなどもある。それらの施設は「個々のオフィスの生産性を高めてもらうために、デベロッパー側が提供している」(山口氏)サービス。多様化した働き方に対応した「行きたくなるオフィス」を目指した。
オフィスは開業時点ですでに満床となっており、企業からの注目度の高さがうかがえる。その理由について、山口氏は「交通利便性の高さはもちろんですが、さまざまな機能がある複合用途型であることも大きいです」と話す。
それは普段から目に見える機能だけでない。地下4階には「八重洲エネルギーセンター」を新設しており、災害時や非常時にも八重洲エリア一体にエネルギー供給できる。そういった体制があることも、BCP(事業継続計画)を重視する企業にとっては魅力だ。
「コロナ禍で『今は(オフィス入居などを)判断したくない』という企業が多かった中、あえて入居を決めた企業は、多様な働き方やオフィスの存在意義を模索している会社でした。多様な働き方を認めていく社会を体現する施設として、コンセプトに賛同してくださる企業が多く集まりました」と山口氏は話す。
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