「東京ミッドタウン八重洲」から変わる東京駅前 “開かれた”施設が街に何をもたらすか:オフィスは満床(5/5 ページ)
3月にグランドオープンした「東京ミッドタウン八重洲」。オフィスや店舗をはじめ、多様な機能を有する“ミクストユース(複合用途)型”の施設だ。新施設を皮切りに、八重洲エリアの再開発も加速。開発した三井不動産に、新施設の機能や今後の街づくりについて聞いた。
エリア一体で「歩いて楽しめる街」へ
今後も八重洲エリアの他の再開発事業との連携を図りながら、地域一体として活性化を目指す。
東京ミッドタウン八重洲に隣接する区域では、他に2つの再開発事業が進行中だ。1つは劇場やサービスアパートメント、インターナショナルスクールなどが入る大規模複合ビルで、三井不動産も計画に参加している。もう1つは、東京建物が進めている、劇場や医療施設、オフィスなどが入る超高層ビルの計画だ。地下のバスターミナルの整備は3地区で一体的に進められており、全体が開業すると20の乗り場を備える広大なバスターミナルとなる。
その先には、再開発で先行している丸の内のほか、銀座や日本橋といった周辺エリアを含めて、他社や地域と連携しながら「歩いて楽しめる街」に変えていくことを視野に入れる。
「東京駅前のエリアは経由地になりがちで、ゆっくり過ごせる場所もあまりありませんでした。八重洲は今後の再開発でさらに多様な要素が増えます。もっと滞在してもらえる街にしていきたいですね」(山口氏)
長期的な視点では、例えば首都高速道路の「日本橋区間地下化」(40年度完成予定)の計画が進んでいけば、水辺の景観の改善が見込める。また銀座では、東京高速道路の遊歩道化計画(30〜40年代整備完了目標)もある。エリア全体として“歩きたい街”に変わっていくことを見据え、東京駅から「ゆっくりと歩いて楽しむ」という新しい需要を掘り起こすことが将来に向けた課題だ。
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