今年のゴールデンウイークは「復活した」と言えるのか? 過去10年の渋滞データから分析:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/3 ページ)
9日間におよんだ2023年のゴールデンウイーク。久しぶりに高速道路の渋滞も話題になりました。では実際のところ、今年の高速道路の渋滞はどのようなレベルだったのでしょうか?
来年のゴールデンウイークはどうなる?
30キロ以上の大きな渋滞の数という点でも、今年の20回は少ない方です。渋滞はカレンダーや天候などにより、年ごとに条件は変わりますが、20回は過去10年で最低のレベル。そう考えると、来年はもっと渋滞が増えるのではないでしょうか。
NEXCOでは19年以降、トラックなどの大型車と、一般乗用車の小型車のそれぞれの交通量詳細を集計して発表しています。
それを見ると、物流を担う大型車≒トラックの交通量はコロナ禍の中でも、それほど減ったわけではありません。ただし、交通量のピークは19年です。今後景気が上向きになるに伴い、増えてくると予想されます。
これらを鑑みれば、来年の交通量は世の中の景気次第。ベースとなる数字は、コロナ禍前の水準に達しつつあります。これで景気が上向きになり、「出かけよう!」という雰囲気になれば、来年はさらに交通量が増すはず。ゴールデンウイークの渋滞は嫌われ者ですが、景気を映す鏡とも言えます。景気動向を知るうえで、来年のゴールデンウイークの渋滞は要チェックです。
筆者プロフィール:鈴木ケンイチ
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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