今年のゴールデンウイークは「復活した」と言えるのか? 過去10年の渋滞データから分析:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)
9日間におよんだ2023年のゴールデンウイーク。久しぶりに高速道路の渋滞も話題になりました。では実際のところ、今年の高速道路の渋滞はどのようなレベルだったのでしょうか?
今年のゴールデンウイークをもって例年通りに復活
ちなみに平均日交通量とは、ゴールデンウイーク中に全国、北海道から九州まである高速道路の主な区間を走ったクルマの数を1日平均に慣らしたもの。12万6100台だった名神(大山崎JCT〜高槻JCT)など多いところもあれば、広島県の浜田道(千代田JCT〜大朝)は7100台など、少ないところもあります。全国平均としてNEXCOが毎年発表する数字なので、年ごとの交通量の比較に便利な数字となっています。
この交通量と渋滞の数字だけを見ると、「あまり増えてないな」と感じる人が多いはず。平均日交通量は106%増と確かに増えていますが、劇的な回復には見えません。では、過去10年の交通量の推移を見てみましょう。
2014年 4万2100台
2015年 4万2800台
2016年 4万1100台
2017年 4万4100台
2018年 4万2900台
2019年 5万0600台
2020年 1万4600台
2021年 2万8900台
2022年 3万9500台
2023年 4万2000台
コロナ禍以前は4万台前半が通常で、19年は5万台にまで増加しました。そしてコロナ禍に突入した20年と21年は、見事なまでに激減しています。4万台前半という数字は、10年代の平均的なもの。そういう意味では、今年のゴールデンウイークをもって、例年通りに復活したと言ってもいいでしょう。
ただし、19年には5万台前半まで伸びていたことを考えると、まだまだ回復のポテンシャルは残っているとも見ることができます。
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