高円寺はなぜ、吉祥寺に勝てないのか 街とジェンダーの“なるほど”な関係:多様性の高い街(2/3 ページ)
「個性的な店が減った」「観光地化している」とあれこれ言われながらも長らく人気の街、吉祥寺。中央線沿線にはより都心に近い駅もあるが、それでも吉祥寺は頭1つ抜けている。その理由をジェンダー的観点から解説しよう。
女性が嫌いな街の要素とは?
女性の指向については女性誌の街特集と重なる部分が多い。例えば、Hanakoの16〜23年のバックナンバーからどの街が取り上げられていたかを見ると、銀座、日本橋、丸の内、京都がダントツに多く、次いで鎌倉、横浜、吉祥寺など住みたい街ランキング常連、さらに自由が丘、中目黒、二子玉川、三軒茶屋などが続く。
16年に横丁を取り上げた記事があり、そこには上野〜御徒町、新宿三丁目、渋谷百軒店、京成立石などが出てはいるが、男性が選んだ川口、川崎、五反田などはたまに取り上げられることはあるとしても、常連にはならないだろう。
あるいはもう少し幅広い街を取り上げているOz magazineでも18年から最新号までの特集を見ると、銀座界隈、鎌倉、横浜、京都といった常連に加え、清澄白河、下北沢、北千住、中央線沿線、池袋、渋谷、湘南、下町などとなっている。女性はいわゆるおしゃれな街が好きなのである。
逆に女性が嫌いな街の要素は何か。以前、男女それぞれが好きな街をテーマにした書籍を書くことになり、部屋探しをしている人たちにインタビューしたことがあるのだが、女性は工業地帯、風俗街、ギャンブルのある街に良い印象を持っていない。根底にあるのは治安への不安である。
治安の良し悪しについてはイメージによるところが多く、現在では世の中が言っているほど治安の悪い街はそうそうないが、それでも一度たった悪評はなかなか消えない。なんとなく怖そう、過去に何か事件があったというだけで敬遠する女性もまだ存在するのである。
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