「アンナミラーズ」姿を消して1年、人気のパイはどうなったのか:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
米国発のレストラン「アンナミラーズ」が姿を消して、1年がたとうとしている。高輪店が閉店してから、運営会社はどんな手を打っているのだろうか。オンライン上で粛々と販売していて……。
オンラインショップの売り上げは大苦戦
ということは高輪店も売り上げが苦戦して、店のシャッターをガラガラと下ろすことになったのか。……と思いきや、そうではない。店は品川駅西口を降りるとすぐのところにあったので、立地がとにかくいい。オープン当初からお客の数が多く、黒字が続いていたのだ。
それなのに、なぜ閉店したの? と疑問をもたれたかもしれないが、理由は入店するビルの再開発だ。いわば“立ち退き”のような形で、店が姿を消してしまったのだ。
前置きが長くなってしまったが、閉店後のアンナミラーズはどうなっているのか。実は、オンラインショップで粛々とホームパイを売り続けている。ネット上で商品を販売したのは、21年11月のこと。店を閉めるから始めたのではなく、全国にいるアンミラファンに商品を届けるためにスタートしたのだ。
オンラインショップを始めるにあたって、ECプラットフォームを運営する「STORES(ストアーズ)」のシステムを導入する。担当者の原沙織さん(フードサービス部)は、システムを採用するにあたって欠かせないことがあった。1つは「使いやすいこと」、もう1つは「初期費用がかからないこと」。この2つが決め手となって、STORESのシステムを使うことにしたそうだ。
さて、オンラインショップを始めたところ、お客からどのような反応があったのだろうか。「残念ながら苦戦しまして。1日の売り上げがゼロという日が続きました」(原さん)。1週間に1個売れればまずまず……だったそうだが、これでは事業として継続させることが難しい。何か手を打たなければいけないわけだが、振り返ってみると、手を打たなさすぎたのである。
告知をほとんどせず、自社サイトにオンラインショップのバナーを貼っただけ。とはいえ、どんな手を打てばいいのかよく分からなかったので、購入者にアンケートを実施することに。なぜオンラインショップで商品を購入したのですかと聞いて回ったところ、「チェリーパイを買いたかったから」という声が多かったのだ。
チェリーパイの特徴は、アメリカンチェリーの酸味をきかせていて、生地は練りパイと呼ばれるサクサクしたものを使用していること。上陸当初から扱っているので、いわばロングセラー商品である。しかし、野球の打順で例えると、3番や4番を打つクリーンアップではない。にもかかわらず、なぜチェリーパイを口にする人が多かったのだろうか。
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