松屋が「30〜80円引き」のランチを夕方まで提供できる理由:ランチから見る企業努力(1/2 ページ)
「30〜80円引き」「午後5時まで」提供する松屋のランチ。価格維持のためにどのような工夫をしているのか。
ランチから見る企業努力
原材料高騰が続く中でも、通常よりお得にランチを提供し、多くのビジネスパーソンから支持を集める外食チェーンがある。各社のランチの戦略やメニューのこだわり、価格維持への企業努力を取り上げていく。
物価上昇などの影響から、小遣いが減ったビジネスパーソンも少なくないだろう。勤務日のランチ代は平均439〜564円というデータもある(エデンレッドジャパン「ビジネスパーソンのランチ実態調査」より)。昨今はコンビニの弁当も値上げが続いているため、日々のお店探しに困っている人も多いのでは。
本連載では、通常よりお得にランチを提供し、ビジネスパーソンから支持を集める外食チェーンを取材。ランチの戦略やメニューのこだわり、原材料費高騰が続く中での価格維持への企業努力を取り上げていく。
第6回目は、「30〜80円引き」「午後5時まで」提供する松屋のランチについて取材した。
「30〜80円引き」「午後5時まで」 松屋のランチ
松屋はランチメニューを午前11時〜午後5時に販売している。メニューは「牛めしランチ(生玉子)」「牛めしランチ(半熟玉子)」「ネギたま牛めしランチセット」「鬼おろしポン酢牛めしランチセット」の4種。価格は通常より30〜80円安く提供している。
同社は2021年10月に全店でのランチ販売を開始。
「開始当初はコロナ過に加え物価上昇影響が大きく、外食産業の価格も高騰している最中でした。一方で会社員のランチ代は500円前後とのデータから、社会の実態に応える販売方法を模索しておりました。その結果『時間を限定してもお求めやすいサービスの維持』を目指した商品設計を行い、ランチメニューの販売が始まりました」(広報担当者)
当初、提供時間は午後2時までとしていた。「“みんなの食卓でありたい”という理念のもと、さまざまなお客さまのお昼どきに応えたいという思いから、22年7月より販売時間を午後5時まで延長しました」(広報担当者)
メニューでは、主食・主菜・副菜をそろえ、タンパク質や野菜をしっかりとれるようこだわる。人気1位は「ネギたま牛めしランチセット」、2位は「牛めしランチ(生玉子)」という売れ行きだそう。
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