パナソニックの「単身用食洗機」が好調 市場のニーズは低いのになぜ?:“スタメン食器”を狙って(4/5 ページ)
パナソニックが単身世帯をターゲットにした小型タイプの「パーソナル食洗機“SOLOTA”(ソロタ)」を発売した。単身世帯の食洗機普及率は、現状約6%と著しく低い。にもかかわらず、ソロタは計画の2倍売れている。理由は……。
サブスクも好調、どんな人が使っている?
単身世帯が使いやすいコンパクトな卓上タイプの食洗機の中には、3万円を切るものもある。対して、ソロタの実勢価格は3万7000円前後だ。「できるだけ価格を抑えつつ、ターゲット層にとって手が届くことを意識した」と楠氏。
「当社が調べた限りでは、一人暮らし用に特化して打ち出した食洗機は市場にありません。この商品仕様を踏まえ、ターゲット層に受け入れてもらえる価格だと判断しました」
月額1290円の定額利用サービスには、「気軽に使ってみてほしい」という狙いがある。
「20〜30代の単身の方は、数年単位で住居が変化する可能性が高い時期だと考えます。単身用の食洗機を使い続ける期間が短いと想定して、手に取りやすくするためにサブスクを導入しました。その後は、ライフステージの変化に合わせて本格的に食洗機の導入を考えていただけたらと」
実際に定額利用で試した後、気に入ったので同じ製品を買い直す、あるいは、もう少し大きなタイプを購入するという前向きな理由で解約する人もいたそうだ。
全体の総数で見れば購入者の割合が大きいものの、定額利用を選ぶ人も少なくないとか。販売・定額利用を合計すると、2月中旬の発売から4月末時点の累計で、計画の約2倍の売れ行きだという。
「サブスクの利用者は、20〜30代の男性がやや多い傾向です。これは想定どおりの結果で、というのも男性のほうが中食の利用率がやや高い傾向があったためです」
とはいえ、料理をする層にも一定の利用者がおり、これは発売後の発見だったとか。
「働く単身者で料理をする方の場合、休日にまとめて作り置きをして、平日はそれを順番に食べる生活になるそうです。平日は限られた食器しか使わず、そのぶんをソロタに任せられるのがラクだという声が聞かれました」
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