インタビュー
パナソニックの「単身用食洗機」が好調 市場のニーズは低いのになぜ?:“スタメン食器”を狙って(5/5 ページ)
パナソニックが単身世帯をターゲットにした小型タイプの「パーソナル食洗機“SOLOTA”(ソロタ)」を発売した。単身世帯の食洗機普及率は、現状約6%と著しく低い。にもかかわらず、ソロタは計画の2倍売れている。理由は……。
「手洗いが普通」の価値観を変えたい
ソロタは若年層がターゲットということで、人気アニメ『推しの子』とタイアップしてYouTubeなどでCMを配信するマーケティング施策を実施している。これが好評で、認知拡大に一役買っているそうだ。インフルエンサーがソロタを紹介したSNSの投稿が、反響を呼んだこともあった。
商品の優位性やマーケティングなどにより計画以上の売れ行きを見せているソロタだが、食洗機のニーズが相変わらず低い現状は課題だと楠氏。
「単身世帯の食洗機普及率は、現状約6%と著しく低い。そもそも一人暮らしで食洗機を買おうという発想にいたらない人が多いんです。『一人暮らし向けの食洗機がある』という認知を促す啓蒙活動をしていく必要があります。
単身に限らず、『食器は手洗いが普通』という価値観を持っている人は少なくありません。食洗機は手洗いよりも圧倒的に節水できるうえに、家事の負担も減らせます。洗濯機と同じぐらいあたり前の家電になるよう、意識の変革を促していけたらと。
『置く場所がない』というハード面と『食器洗いは手洗いでいい』という心理面の双方のハードルを踏まえて、アプローチする必要があると思います」
売れるポテンシャルはあるが、購入までの道のりが遠そうな食洗機。普及拡大には、キッチンの設計から見直す必要もあるかもしれない。
写真提供:パナソニック
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