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混迷する「物言う株主vs創業家」 フジテックのゆらぐ経営:対立が激化(1/3 ページ)
エレベーター・エスカレーターの大手フジテックがいわゆる「お家騒動」の渦中にある。香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントと創業家出身の内山高一氏が対立。ガバナンスを巡って激しく対立する両者だが、主張がずれ行く背景には一体何があったのか。そして、この状態が続くことのリスクとは?
フジテックは1948年創業、東証プライム上場のエレベーター・エスカレーターの大手専業メーカーだ。エレベーターでは日本国内のシェア4位、エスカレーターで5位を誇り、防衛省や空港、駅や公共施設、大型商業施設などに多数採用され、現在約7万基を管理している。東京ミッドタウン八重洲、エスコンフィールドHOKKAIDO、西九州新幹線長崎駅などのエレベーター・エスカレーターも同社の製品だ。
1960年代から業界に先駆けて海外にも進出し、現在は世界23の国と地域に営業拠点、生産拠点を設ける。2022年3月期の連結売上高は1870億円、連結従業員数は1万683人を擁する大企業である。
混迷する「物言う株主vs創業家」 ずれゆく主張の行方は……
同社はこの1年間、いわゆる「お家騒動」の渦中にある。「物言う株主」として知られる香港の投資ファンド、オアシス・マネジメント(以下「オアシス」)が同社株のうち17.26%を保有し、ガバナンスをめぐって創業家出身の内山高一氏(創業者・内山正太郎氏の長男)と激しいバトルを繰り広げているのだ。
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