コラム
サントリーの「ビアボール」 ビール離れ進む若者の間で話題に、なぜ?:グッドパッチとUXの話をしようか(1/4 ページ)
ここ15年以上「前年割れ」を記録しているビール市場で、サントリーの新ビール「ビアボール」が、若者の人気を集めている。どのようにこの熱狂が作られたのかというと……
連載:グッドパッチとUXの話をしようか
「あの商品はどうして人気?」「あのブームはなぜ起きた?」その裏側にはユーザーの心を掴む仕掛けがある──。この連載では、アプリやサービスのユーザー体験(UX)を考える専門家、グッドパッチのUXデザイナーが今話題のサービスやプロダクトをUXの視点で解説。マーケティングにも生きる、UXの心得をお届けします。
気温と湿度が段々と上がってくる6月。カラっと晴れた夏の日差しを浴びながら、ゴクゴクとビールを飲むテレビCMに後押しされ、ああ、早く梅雨が明けてほしい――なんてことを思う私は昭和世代。
「夏の大定番」ともいえるビール市場は、ここ15年以上前年割れを記録しています。一方、若者の間でビールの炭酸割り「ビアボール」が流行っているのをご存じでしょうか。バイトダンスが発表した「TikTok上半期トレンド大賞2023」のヒットアイテム部門にもノミネートしています。
消費者の好みが細分化・複雑化し、世の中の変化が予測しづらくなっている現代において、若者離れが起こっているともいわれるビール飲料の「ビアボール」が、なぜかSNSを中心に若者の間で話題になっています。ビアボールが作り上げた熱狂の裏には、どのようなユーザー体験が隠されているのか、解説していきたいと思います。
40代以下で特に人気のビアボール、その理由は?
関連記事
- 10年で市場規模が10倍に 「アナログレコード」復活の理由をUX観点から考える
サブスクサービスで音楽を聴くことが増えてきましたが、意外なことにここ10年で「アナログレコード」の市場は10倍に成長しています。なぜアナログレコードが人気なのでしょうか、その秘密をUXの観点から考えてみました。 - なぜ人は「ゼルダの伝説」にハマるのか? マリオのユーザー体験と比較して分かったこと
5月12日に発売された「ゼルダの伝説」の最新作が、発売たった3日で世界販売本数1000万本を突破した。30年以上も愛されるゲームの魅力とはなにか? なぜ人は「ゼルダの伝説」にハマるのか? ユーザー体験(UX)の観点からひも解いていく。 - 楽天・PayPayに続く経済圏となるか SMBCグループの「Olive」が伸びそうな2つの理由
三井住友フィナンシャルグループが3月に発売した、コンシューマー向けの金融統合サービス「Olive」が話題になっている。マーケティング支援会社のシンクジャムが「Olive」が伸びそうな2つの理由を解説。 - キーエンスの営業は「何が」すごいのか? 営業利益率54%超を支える2つの特徴
キーエンスは2023年3月期の決算で営業利益54.1%を記録し、2年連続で過去最高を更新しました。驚異の利益率を誇るキーエンスの営業組織の強さを読み解いていきます。 - 「3割退職・目標未達・売上前年割れ」 退職者が出戻るほど成果が出た、データドリブンな営業改革とは
ウイングアーク1stは当時「3割退職・目標未達・売上前年割れ」の三重苦にあえいでいた。個人商店的な昭和の営業スタイルから一転、データドリブンな営業へ脱皮するための改革に力を入れることに。退職者が出戻るほどに成果が出た、営業改革を取材した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.