コラム
キーエンス出身者が教える「営業の型」 成果が出る型に必要な「順序」の思考とは:ハイパフォーマンス営業の頭の中(1/3 ページ)
営業で成果を出すには「型」の習得が欠かせません。型は状況→動作→結果のセットであり、過去2回の連載では「型の重要性」と「顧客が置かれている状況の解像度の上げ方」について解説しました。最終回では、型における「順序」の思考をお伝えします。
連載:ハイパフォーマンス営業の頭の中
圧倒的な成果を出し続ける営業は、日々どのようなことを考え、どのように実行しているのだろうか? キーエンス、SAP、freeeなどで16年の営業キャリアを積んだ筆者が、早期に成果を出すためのヒントや営業組織の強化方法を紹介します。
前回までの記事では、型は状況→動作→結果のセットであり、ベストな型を選択したり、新しい型を作るために重要な、状況の解像度の上げ方について解説しました。
今回は解像度の高い状況を基に、どのように動作の質を上げていくかについて解説していきます。
型の動作では順序を意識する
「順序の意識の重要性」を説明するにあたって、あるエピソードを紹介します。過去に転職してきたばかりのメンバーの商談に、わたしが同席したときの話です。
そのメンバーは冒頭に「今ならIT導入補助金があるので、お得に導入できます」という話をはじめました。なぜ最初にIT導入補助金の話をしたのか聞くと、トレーニングで「今はこの話が一番重要だ」と教えられ、プロダクトについてはまだうまく話せないので、これだけは伝えようと思ったということでした。
さて、顧客の反応はどうだったでしょうか?
関連記事
- 「3割退職・目標未達・売上前年割れ」 退職者が出戻るほど成果が出た、データドリブンな営業改革とは
ウイングアーク1stは当時「3割退職・目標未達・売上前年割れ」の三重苦にあえいでいた。個人商店的な昭和の営業スタイルから一転、データドリブンな営業へ脱皮するための改革に力を入れることに。退職者が出戻るほどに成果が出た、営業改革を取材した。 - 成果を出す営業は「型」を知っている ゼロから質の高い型を作り出す方法
営業として成果を出すためには「型」の習得が欠かせない。ゼロから質の高い型を作り上げるにはどうすればいいか、解説する。 - キーエンスの営業は「何が」すごいのか? 営業利益率54%超を支える2つの特徴
キーエンスは2023年3月期の決算で営業利益54.1%を記録し、2年連続で過去最高を更新しました。驚異の利益率を誇るキーエンスの営業組織の強さを読み解いていきます。 - ハイパフォーマー営業だけが知っている「AIが代替できない仕事」とは?
生成系AIの誕生で、営業の仕事はどう変わっていくのだろうか? AI時代でも成果を出し続けられる営業に共通する要素を聞いた。 - 日系大手はなぜ「古い営業」と言われ続けるのか? 米国企業に学ぶ、打開策
さまざまな営業現場で、日系大手企業特有の営業組織の課題を耳にする。その実態を浮き彫りにさせてながら、日本企業が変わるにはどうすればいいのか、米国企業の取り組みを参考に考察する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.