大ヒット「N-BOX」はF1から生まれた ホンダがF1に求める「名誉」以外のもの:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(1/3 ページ)
5月24日、ホンダが「2026年からF1へ復帰する」と発表しました。ホンダのF1復帰は、これで都合4回目。ホンダがF1に挑戦し続けるのは、どのような理由があるのでしょうか。
5月24日、ホンダが「FIAフォーミュラ・ワン世界選手権への参戦について」のリリースを発表しました。簡単にいえば「2026年からF1へワークス参戦する」というものです。ホンダは21年にワークス参戦、つまりホンダ本体としての本格参戦を終了しており、約5年ぶりのF1復帰となります。
ホンダのF1復帰は、これで都合4回目。これまでホンダは4回にわたってF1に参戦しており、26年からの参戦は5回目となります。その5回は、第1期となる1964〜68年、第2期の83〜92年、第3期の2000〜08年、そして第4期の15〜21年。それぞれの撤退には、排気ガス規制の対応やバブル経済の崩壊、リーマン・ショックなどの理由があります。しかし、ホンダはその度に問題を克服して、F1へと復帰してきました。
一体、ホンダがF1に参戦するのは、どのような理由があるのでしょうか。
F1で勝つことの意味
理由の1つが、F1(フォーミュラ・ワン)という競技にあります。F1は車体とエンジンを参戦者がF1専用のものとして作っていることが特徴です。しかも、FIA(国際自動車連盟)が主催する自動車レースの最高峰と位置付けられています。つまり、F1は、ドライバーの競争だけでなく、マシンを作る人たちの競争でもあり、その世界最高峰のイベントになります。
そのため、ここで勝つことは、自動車メーカーとしての技術力の高さを示すことになります。自動車メーカーがF1に参戦するのは「名誉」を求めるのが第一の理由。「技術力ナンバー1」となれば、市販車の売れ行きへの好影響が期待できるわけです。
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