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トヨタが反転攻勢に出た? 「手遅れ」と言う人が知らない、真の実力と新たな課題:高根英幸 「クルマのミライ」(3/7 ページ)
6月13日、トヨタが現在開発中の電動化技術などを報道陣に公開した。「Toyota Technical Workshop2023」と銘打ったイベントで、最新技術のおよそ9割を明らかにしたのである。最も注目が集まったのは……。
次世代電池のハイパフォーマンス版
ではテスラや中国、欧米のEVメーカーもリン酸鉄リチウムでバイポーラ型を採用すればいいではないか、と思われるかもしれない。しかし彼らは単一セルでのエネルギー密度を高めるための研究開発に集中し、電池構造の改善は二の次としてきたのだ。
バイポーラ型のバッテリー自体は大昔から発想はあったものの、二次電池として実用化されたのは、最近のことだ。
通常の電池の各セルを直列で連結させた場合、負極の電極(集電板)に集まった電子は、隣のセルの正極へと送られる。ならば負極と隣の正極を背中合わせにしてしまえば、電子の流れはより効率的になり、極板も各セルごとのケースも不要となるから、スペース効率もグンと高くなり、実質的なエネルギー密度を高められる、という仕組みだ。
さらに次世代電池のハイパフォーマンス版として、三元系のリチウムイオンをバイポーラ型としたものを27年から28年に実用化するべく開発中であることも明かしている。
これは他のバイポーラ型と同様、現在バイポーラ型ニッケル水素電池を生産している豊田自動織機とトヨタが共同開発にあたっている。リチウムイオン電池ということでプライムプラネットエナジー&ソリューションズも参画するのでは、と思われる方もいるかもしれないが、パナソニックはテスラとも関係が深いから、トヨタグループのもつ電池技術を全て共有するわけにはいかない。
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