「つくばエクスプレス」と「臨海地下鉄」の接続は実現するか:秋葉原からその先へ(3/4 ページ)
つくばエクスプレスの起点は秋葉原駅だが、今後は東京駅付近にもつながり、路線の価値をさらに高める計画もある。具体的にどういうことかというと……。
ターミナルを共用できるつくばエクスプレスと臨海地下鉄
つくばエクスプレスは、現在8両化に向けて準備を進めている。沿線の人口が増えたため、6両ではラッシュをさばききれなくなり、地下駅のホーム延伸工事などを実施しているところだ。
一方、2016年の国土交通省交通政策審議会の答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」にある、「常磐新線の延伸」にも対応したいところだろう。
「常磐新線」とは、つくばエクスプレスのことである。つくば国際戦略総合特区と都心部のアクセス利便性を向上し、新幹線のターミナルのある東京駅と直結することで、研究開発拠点とそれ以外の地域の行き来をうながす効用も期待している。
この答申では、都心部と臨海地域地下鉄の新設に関する構想もある。同構想とつくばエクスプレス延伸を一体として整備したい考えのようだ。つくばエクスプレスの企業戦略、または世界都市・東京の都市戦略として研究開発拠点と都心部の行き来を盛んにすることで、人の交流を活発化させる狙いだ。
一方で、住宅開発が進んだ臨海部の交通の便を良くしたい考えもある。
臨海地下鉄に熱心なのは、東京都中央区だ。中央区では、人口増加により交通需要が高まり、一方で晴海のまちびらきや築地市場跡地の大規模開発の計画がある。現実には湾岸タワマンエリアの交通が不便だという問題もあり、14年度からこの計画の調査を進めてきた。
東京都の都市整備局でも「都心部・臨海地域地下鉄構想」の事業計画を検討することになり、22年11月に事業計画案がまとまった。
21年7月の交通政策審議会では、この地下鉄構想について、世界中から人、企業、投資を呼び込み、東京と日本の持続的成長をけん引する臨海部と区部中心部をつなぐ交通基盤としての役割を担うことが期待されているとの答申を出している。都市の戦略として、このエリアの開発を進め、その重要な軸で地下鉄を走らせるというものである。
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