YOASOBI「アイドル」国際チャート1位の快挙に学ぶ、日本の音楽が世界で勝つ方法(2/6 ページ)
YOASOBI「アイドル」がリリース後、国内のビルボードジャパンのチャートで8週連続で首位を獲得。2位以下に大きな差をつけてトップを独走している。日本の音楽が世界で勝つ方法を考察する。
世界の音楽トレンドを意識
当然のことながら、今回の「アイドル」の世界ヒットは、楽曲の力が最重要であることは間違いありません。
過去にも藤井風さんの「死ぬのがいいわ」など、楽曲の力によって世界で注目された曲は日本にも複数存在します。ただ、今回のYOASOBIのケースの凄さは「アイドル」がたまたま世界に受けたのではなく、明らかに最初から世界を意識して創られていると思われる点です。
分かりやすいポイントは、今回の「アイドル」が従来のJ-POP軸ではなく、明らかにヒップホップの要素を軸にした作りになっている点でしょう。
日本ではヒップホップと聞くと、自分は聞かないという方がまだまだ多いと思いますが、世界の音楽のトレンドは明らかにヒップホップ中心になっています。
ビルボードジャパンのインタビューで、実はこの楽曲はAyaseさんが1年半前に「推しの子」のマンガを読んだ際に、インスパイアされながら楽曲を書いたものがベースになっており、YOASOBIとして発表する予定はなかったというくだりが印象的です。
(参考:YOASOBIが語る「アイドル」誕生秘話、完璧で究極な“アイ”への想い)
特に、冒頭で紹介したAyaseさんが影響を受けたNewJeansに代表されるように、最近のグローバルチャートでは、中毒性の強いサビの楽曲が音楽配信サービスによって繰り返し聞かれて上位にランクインする傾向があります。
今回の「アイドル」はそうした楽曲を参考にしながら、ある意味、従来のYOASOBIらしくない新しい挑戦をした曲だからこそ、大きなヒットにつながったということも言えそうです。
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