Apple Vision Proと「空間コンピュータ」は、メタバース市場をひっくり返すことができるか(1/5 ページ)
アップルが自社のゴーグル型デバイスである「Apple Vision Pro」を発表。専用OS「VisionOS」のソフトウェア開発キットの配布も始まった。早速SNS上でも、開発者の感想やサンプル動画が複数あがっている。
この記事は、Yahoo!ニュース個人に6月25日に掲載された「Apple Vision Proと「空間コンピュータ」は、メタバース市場をひっくり返すことができるか」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
アップルが自社のゴーグル型デバイスである「Apple Vision Pro」を発表してから2週間が経過しました。6月22日には、このデバイス向けのOSである「VisionOS」のソフトウェア開発キットの配布が開始。早速SNS上でも、開発者の感想やサンプル動画が複数あがってきています。
(参考:Apple、「visionOS SDK」を提供開始 〜新型ARヘッドセット「Vision Pro」のアプリを開発)
「Apple Vison Pro」の発表で印象的なのは、実際に体験した人たちを中心に、その完成度の高さに大きな反響が巻き起こり、大きな注目を集めることになった点でしょう。
何しろ「Apple Vision Pro」のティーザー動画は、発表から2週間で再生数5000万回を突破し、AppleのYouTubeの中で過去最高を更新したそうですから、その注目度の高さが良く分かります。
現地に参加した日本のメディアや開発者の中で、7人だけが実際に「Apple Vision Pro」を体験する機会が得られたようですが、その7人が7人とも「Apple Vision Pro」を絶賛しているのが非常に印象的です。
一方で、VRゴーグル市場においてMeta Questを販売して先行しているメタのマーク・ザッカーバーグCEOが「自分が求めているものではない」などと発言したことも話題になっています。
(参考:MetaザッカーバーグCEO、Vision Proは「求めているものではない」)
当然ながら「メタバース」業界をリードしようとしているマーク・ザッカーバーグCEOが、Apple Vision Proの動向に神経を尖らせているのは間違いありません。
「ARゴーグル」ではなく「空間コンピュータ」
特に今回の「Apple Vision Pro」発表にあたり、アップルは「VRゴーグル」や「ARゴーグル」という表現も使わず、メタが推進する「メタバース」という概念にも言及することなく、「空間コンピューティング(Spatial Computing)」という概念を前面に打ち出してきました。
「Apple Vision Pro」は、いわゆるPCとよばれる「パーソナルコンピュータ」市場、そしてスマホに代表される「モバイルコンピュータ」市場に続く、新しい「空間コンピュータ」市場の製品であると定義。自分たちが、この「空間コンピュータ」市場をリードしていく姿勢を明確に打ち出してきたわけです。
ここで注目したいのは、果たしてアップルは「空間コンピュータ」市場のリーダーとして君臨することになるのかという点です。
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