日本の食文化が経済をけん引する可能性:世界に広がる日本食(2/3 ページ)
食品機械などの製品やサービスを紹介する「FOOMA JAPAN 2023」が大きな盛り上りを見せたようだ。来場者は10万人を超え、外国人の来場も目立ったという。日本の食に対する評価の高まりを示しているようだ。
食のみではない「文化」への評価
これらの要因となっているのは、もともと日本食は海外で「低カロリーでヘルシーな料理」として重宝されていたこと、そして、世界的な健康志向の高まりに加えて、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されたことも日本食の世界的な評価につながっているのだろう。
加えて重要なことは、和食の持つ歴史的な背景や「おもてなし」に代表される接客文化など、日本食を中心とした日本文化への評価の高まりではないかと思う。
インバウンドにしても、「食」だけではない、日本に来て「本場の日本食」を食したい、体験したいというニーズの高まりも大きく影響している。
実際に、日本食を食べるだけでなく、寿司作り体験やそば作り体験、和菓子作り体験、また酒蔵体験、ウイスキー蒸留所体験などが人気となっているという。
また、「食」だけではなく、和装体験や陶芸体験、茶道体験など、「モノ」より「コト」に重きをおく日本文化に触れるきっかけを提供する機会も増えているようだ。そこには、治安の良さや公衆衛生、正確無比な電車の運行などに加え、日本独自の「おもてなし」精神、礼儀作法や精神性がある。
日本人でもあまり経験しないことを経験した外国人は、大きな感動を得るのは間違いない。
農林水産省は、訪日外国人を中心とした観光客の誘致を図る地域での取組を「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域)」として認定する制度を平成28年度に創設した。
令和5年4月現在で、40の市や地域が認定されており、訪日外国人旅行者に広くアピールしていく計画だ。
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