インタビュー
”スモーキー”なハイボール缶が100万本を突破した、3つの理由:好みが分かれるのに(5/5 ページ)
国内発のスモーキーハイボール缶「三郎丸蒸留所のスモーキーハイボール」が、累計販売本数100万本を突破した。これまで市場になかったジャンル、かつ355ml缶で327円と高価格帯。チャレンジングな製品にもかかわらず、なぜ売れているのか。
国内外100万人のファンを目指す
稲垣氏が長期的な目標として掲げるのは、若鶴酒造のファンを国内外で100万人に増やすこと。現在、同社の通販サイトの会員が約1万人なので、それを100倍に拡大するイメージだ。
目標達成にあたり、「三郎丸蒸留所のスモーキーハイボール」が若鶴酒造の認知拡大やファンを呼び込むきっかけになっているという。その一例として、同製品を通じて蒸留所の見学に訪れる人が増えている。22年度は約2万人が訪れ、23年度は3万人を見込んでいる。
また、海外でのジャパニーズウイスキー人気の高まりも踏まえ、海外展開も徐々に始めている。この6月には台湾のウイスキーのイベントで「三郎丸蒸留所のスモーキーハイボール」を販売し、約3000本が売れた。
「ハイボールって日本特有の飲み方なんです。スモーキーなハイボールもやはり日本特有といえます。これを日本の文化として海外に発信していって、海外にもスモーキーハイボール好きを増やしたいですね」
ジャパニーズウイスキー100周年の節目となる今年。スモーキーハイボール市場もますます盛り上がりそうだが、市場が活性化するにつれて差別化が求められる。大手と比較して供給量にも限界がある。ここをどう突破していくかが若鶴酒造社の挑戦になりそうだ。
写真提供:若鶴酒造社
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