ファミマ「アイスモカブレンド」5杯無料のなぜ 仕掛け人に聞いた:トップマーケターの狙い(1/2 ページ)
ファミマが新商品「アイスモカブレンド」(160円)を、「スマートニュース」の新規ダウンロードとクーポンの新機能利用で、最大5杯を7月10日まで無料としている。チーフ・マーケティング・オフィサーの足立光氏に狙いを聞いた。
ファミリーマートが消費者にとって激アツな“大盤振る舞い”を始めた。新商品「アイスモカブレンド」(160円)を、全国の約1万6200店(沖縄県を除く)で発売。7月10日まで、ニュースアプリ「スマートニュース」の新規ダウンロードとクーポンの新機能利用で、最大5杯を無料としている。
なぜこのような施策を企画したのか。ファミマ初のチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、足立光氏は狙いを話す。
「ファミマのコーヒーはおいしいのに、そのイメージが十分に伝わっていません。高い品質のこの新商品は、一度お飲みいただければ、その良さが伝わる自信があります。だから割引ではなく無料にしたいと考えました。コーヒーは嗜好(しこう)性が高く、習慣性も強いので、ご満足いただければキャンペーン後も継続的な来店につながります。最大5回まで無料にすることで、何回かご来店していただき、少しでも習慣化していただければと考えました」
足立氏は2020年10月に同社のCMOに就任した。日本マクドナルド時代には、業績のV字回復に貢献をした国内でも指折りのマーケターだ。同氏によれば「競合と比べて、ファミマ商品のおいしさが十分に伝わっていない」ことが課題だという。
セブン-イレブンを始めとしたコンビニ3社の中でもコーヒーの争いは激化している。そもそもコーヒーの市場はコンビニだけでなく、ペットボトル、缶コーヒーと競合が多い「戦国時代」だ。
今回のキャンペーンで、ファミマは何を狙っているのか。足立氏が課題解決のために取り組んだ2つの施策を聞いた。
足立光(あだち ひかる)シュワルツコフ ヘンケル社長・会長、日本マクドナルド 上級執行役員・マーケティング本部長、 ナイアンティック シニアディレクターなどを経て、2020年10月より現職。I-neおよびノバセルの社外取締役、スマートニュースおよびコープさっぽろのマーケティング・アドバイザーも兼任
FAMIMA CAFEでシェア20%を掲げる新商品
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