銚子電鉄、開業100周年 社長「皆さまの熱い応援が原動力」
ローカル線の銚子電鉄が開業100周年を迎えた。同社の竹本勝紀社長は「銚電は電気だけで走っているのではない。皆さまの熱い応援が原動力になっている」と利用者に謝意を示している。
ローカル線の銚子電鉄(銚電、千葉県銚子市)が7月5日で開業100周年を迎えた。同社の竹本勝紀社長は自社の公式YouTubeチャンネルの動画で「銚電は電気だけで走っているのではない。皆さまの熱い応援が原動力になっている」と、利用者に謝意を示している。
銚電は銚子市内の「銚子〜外川」間の6.4kmを走るローカル線で、1923年に開業した。長年、地域住民の移動手段として親しまれてきたが、近年は沿線の人口減少などで、鉄道収入の減少。経営が悪化する中、副業として始めた「ぬれ煎餅」が大ヒットし、鉄道グッズなども含めた物販での売り上げが本業を上回る異色の鉄道会社として知られる。コロナ禍では映画『カメラを止めるな』のパロディー作品として、『電車を止めるな』を制作したことも話題になった。
近年はレトロさに注目
苦しい経営状況のため、主要な鉄道各社が導入する交通系ICは未導入、車両も他社の中古のそのまた中古、老朽化が続く駅舎というネガティブなことが山積みとなっているものの、ここ数年のレトロブームで、その古さが魅力となり、新たなファンの創出に成功している。YouTubeチャンネル「激つらチャンネル」開設後は、竹本社長の自虐的なキャラも人気となっている。
地元紙「千葉日報」の6月30日付けの記事によると、6月末に発表した2023年3月期決算では、純利益1196万円で2期連続の黒字(前年は21万円の黒字)を達成。中でも副業の売上高は5億3418万円(前年度比18.5%増)で過去最高を記録し、1億2000万円を超えた鉄道事業の大幅赤字などのマイナス要因を補ったという。
竹本社長は「この100年の間には、時代の流れとともに、想像を絶するような幾多の困難が降りかかり、その度に廃業の危機に直面してきた。しかしながら、地域に根差すローカル鉄道として『絶対にあきらめない』という熱い魂を持ち続け、ついにこの日を迎えた」と振り返り「1日も長く電車を走らせ続けて、ローカル鉄道としての使命を果たしていきたい」と意気込んでいる。
同社は7月9日に、犬吠駅で開業100周年を記念して「銚電まつり」を開催する。鉄道関係、飲食のブースを設置する他、同日は電車運賃が無料となる。
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