コラム
マーケ戦略の良し悪しは「何で」決まるのか? 「筋の良い戦略」が描けない理由:トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾(3/3 ページ)
「思うように売り上げが上がらない」――その悩みの背景にはマーケティング戦略が論理的に組み立てられていないことがあるのではないでしょうか? マーケ戦略策定に潜む10の落とし穴とその解決策を解説していきます。
本連載の体系
本連載では、全11回にわたり、マーケティング戦略設計時に陥りがちな10の罠について解説していきます。
筋の良い戦略が描けない要因は「そもそも問題」と「よくある問題」に大別されます。「そもそも問題」としては、以下の4つを取り上げます。
- 戦略が構造で描けていない(直線的に設計してしまう)問題
- 測定指標が売り上げになってしまっている問題
- KPIは設計されているが、ツリーとして設計できていない問題
- 組織の機能(権限)と責任が一致していない問題
そして後半では「よくある問題」として、以下の6つを取り上げます。
- 課題が不明瞭なまま手段の目的化が横行してしまう問題
- 意外とUSP(Unique Selling Proposition)が曖昧なんじゃないか問題
- 課題を解決する施策の知識(=「できること」と「できないこと」の理解)が不足または間違っている問題
- 成果の期待軸が短期的すぎる問題
- 自社の商品やサービスのマーケティング特性に応じた戦略のチューニングができていない問題
- 実行する組織が弱い問題
よろしくお付き合いいただけると幸いです。
著者紹介:株式会社トライバルメディアハウス代表取締役社長 池田 紀行
1973年横浜生まれ。マーケティング会社、ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタントなどを経て現職。大手企業300社以上の広告宣伝・PR・マーケティングの支援実績を持つ。宣伝会議マーケティング実践講座 池田紀行専門コース、JMA(日本マーケティング協会)マーケティングマスターコース講師。 年間講演回数は50回以上で、延べ3万人以上のマーケター指導に関わる。近著『売上の地図』(日経BP)、 『自分を育てる働き方ノート』(WAVE出版)ほか著書・共著書多数。Twitter:@ikedanoriyuki
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